中国科学院王中林院士(資料写真) |
音によりナノ発電機を動かすと、20個のLED照明が点灯した――。中国科学院が明らかにしたところによると、王中林院士が率いる研究チームはこのほど、初めて摩擦を利用した高効率音声発電を実現した。科技日報が伝えた。
生活のどの場面にも音波が存在しているが、往々にしてそれは騒音にすぎないとされており、音波のエネルギーが浪費されている。これらのエネルギーを集めて利用すれば、新たな持続可能なエネルギー源になる。しかし音はエネルギー効率・密度が低く、これを集めて利用することは困難だ。
研究者は金属電極をつけたポリ四フッ化エチレン膜と、穴を開けた構造を持つ金属電球膜を貼り合わせ、ナノ摩擦発電機を作り、これを音のエネルギー変換装置とした。ポリ四フッ化エチレン膜は薄くて弾力があり、金属電極膜と分離・接触し摩擦を生じさせる。これにより表面の摩擦電荷と感知電荷のバランス関係にも変化が生じ、電子を外部電気回路により移動させる。これで電流が形成され、音エネルギーから電力への変化を実現する。
業界内の専門家は、「この研究結果は、環境内に存在する音エネルギーの効率的な収集、騒音の抑制、音センサー(航空機の動力、軍事偵察、個人の電子機器など)などの分野で、高い応用の将来性を持つ」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月20日