マレーシア航空のMH370便が行方不明になってから1週間以上が過ぎるが、捜索活動は依然として難航している。科学技術が発展した今日において、民間航空機の交信がなぜ突然途絶えてしまったのだろうか?ここでは民間航空機にどのような通信システム・通信手段があるかを見ていこう。新華網が伝えた。
航空機の通信システムは、飛行中の各段階において、乗務員と地上の管制担当者などの関係者の、双方向の言語・信号による連絡を維持し、同時に乗務員間および乗客との連絡サービスを提供する。航空機の通信システムは、人工通信と自動通信の二つに分かれる。
人工通信には超高周波無線通信システムがある。同システムは現在の民間航空機の主要な通信ツールだ。同システムの有効範囲は狭く、航空機の離着陸時もしくは管制空域を飛行している際の、乗務員と地上の管制官の双方向の通話通信に用いられる。一般的な航空機には、予備システムが一つ以上搭載されている。ボーイング777には高周波無線システムが三つ搭載されている。
高周波無線通信システムは遠距離通信システムで、その通信距離は数千キロに達し、航空機の飛行中に基地および遠方のターミナルとの連絡を維持する。ボーイング777などの大型機には、一般的に二つの高周波無線通信システムが搭載されている。
その他にもセルコール(応答装置)がある。飛行中に地上の管制官は無線により、パイロットにセルコールのナンバーを付与する。例えば「マレーシア航空5101、応答装置0363」の場合、パイロットは機内で「0363」という応答装置のナンバーを入力する。すると管制官のレーダーの画面には、同機の身分情報が表示される。
それから可聴周波数総合システムだが、これには機内の通話システム(乗務員間の通話システム、機内の放送、娯楽システムなど)が含まれる。
人工通信システムの他に、航空機には二つの自動通信システムがある。これはエーカーズ(航空機と地上を結ぶデータ通信設備)と呼ばれ、一つ目のシステムは地上管制機関に航空機の位置や飛行高度などの情報を伝え、二つ目のシステムは航空機のいくつかの重要システムのデータを収集・送信する。
またボーイング777には一定間隔で地上にデータを自動送信する機能があり、エンジンの正常稼働に関するモニタリングデータを報告できる。
ボーイング社はさらに衛星リンクサービスを提供している。航空機はいつでも衛星にデータを送信し、航空機の運行状態を伝えることができる。航空会社はデータ送信サービスを購入するか否かを自ら決定できるが、マレーシア航空は同サービスに登録していなかった。航空会社が同サービスを購入しなくても、航空機は信号を自動送信し、リンクの機能を果たす。これは電源をオフにした携帯電話が、「私はここにいる」という信号を発し続けるようなものだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月19日