2014年6月12日  
 

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ユネスコ世界記憶遺産に登録された中国の9文献 (2)

人民網日本語版 2014年06月12日14:16
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「様式雷」建築設計図(2007年登録)

「様式雷」建築設計図は2万点以上が現存し、中国国家図書館には1万5千点余り、残りは故宮博物院や中国第一歴史公文書館、中国文物研究所などに収蔵されている。「様式雷」とは、清代に宮廷建築家として名を馳せた雷氏を指す。始祖である江西人の雷発達(1619~1693)は清代初期、皇帝が起居する北京の内廷での仕事を始め、康熙初年に宮殿の建築に携わり、その後、内廷の建築事業の責任者となるよう勅令を受けた。雷氏一族はその後、清代末期まで六代にわたって朝廷建築部門「様式房」の責任者であり続け、「様式雷」と呼ばれるようになった。代々の雷氏は200年余りで、北京故宮や北海、円明園、頤和園、静宜園、承徳避暑山荘、清東陵、西陵などの重要事業の設計図や立体模型を製作した。独自性ある雷氏の設計図や建築模型は、清代の建築と設計プロセスを知る重要な資料である。

『本草綱目』1593年金陵版(2011年登録)

同版は世界でも珍しく、中国と日本(最多)、米国の図書館にしかない。現在の国内外のあらゆる『本草綱目』の元になっているのがこの1593年金陵版である。同書は、中国明代の李時珍(1518-1593)が編纂した薬学専門書だが、その内容は、医学や植物学、動物学、鉱物学、化学など多岐にわたっている。英国の生物学者ダーウィンも「中国古代の百科全書」と同書に触れている。『本草綱目』の全編または一部は18世紀から20世紀までに英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・韓国語などの20言語以上に翻訳され、100回以上再版され、世界的に広まり、西洋でも多くの分野の学者の研究対象となっている。

『黄帝内経』1339年胡氏古林書堂印刷版(2011年登録)

中国国家図書館に保存される『黄帝内経』の同版は、世界で最も古く最も完全な版である。2200年以上前の中国戦国時代に形成された同書は、中国古代の伝統医学の実践経験を系統的にまとめ、中医学の生命観や思考法、認識方法を示したもので、中医学理論体系の土台となっている。同書で示された理論体系と医療モデルは現在まで伝統医薬によって使われ、西洋医学の参考ともなっており、世界の医学と人類の文明の発展の証と言える。

僑批資料――海外華僑の送金と手紙(2013年登録)

「僑批」は俗に「番批」とも言われ、海外の華僑が民間ルート、後には金融郵政機構を通じ、家族への手紙や言付けとともに行った送金証明書を指す。「批」はビン南語や広東語で「手紙」のこと。広東潮汕や福建ビン南地区のものが多い。100年余り前、多くの中国人が生活の糧を求めて東南アジアに赴いた。当時は通信が発達しておらず、華僑は「僑批」で音信を伝え、故郷に送金した。「僑批」は海外にいる華僑と国内の家族との紐帯となり、華僑の故郷の発展の重要な原動力となった。世界記憶遺産に登録された資料には、「福建僑批」と「広東僑批」の二つが含まれる。三大僑郷(華僑の故郷)のある広東には僑批と関連資料が16万点確認されており、このうち潮汕が10万点余り、五邑が4万点余り、梅州が1万点余り。福建の「僑批」は1万点余りにすぎないが、保存期間の幅が広く、ビン南の特徴も持ち、高い資料性を持っている。僑批の数が多いのは広東、優良な資料が見つかるのは福建という言い方もある。僑批は、その真実性や唯一性、独自性、希少性、保存性などで優れている。一般の手紙とは違い、世界各地の華僑の居住地と国内の出身地とをまたぐため、両地の政治・経済・文化の交流を知ることができ、海外との商業貿易往来、郵便、交通、金融、為替を知る歴史的記録として読むこともできる。後世の手が加わっていない貴重な史料であり「20世紀の敦煌文書」との呼び声もある。

元代西蔵公式文書(2013年登録)

世界記憶遺産に登録されたのは、22点の貴重な元代の歴史公文書である。文献の年代は1304年から1367年と推定されている。このうち4点はパスパ文字で書かれたもので、元代の皇帝が西蔵(チベット)の地方寺院や官僚に宛てた聖旨(皇帝の命令)であり、元代の中央政府と西蔵地方政府との間で取り交わされた重要文書の一つである。パスパ文字は、元代にかつて燦然と現れ、百年近く流行した後、人々の視界や意識から徐々に消えた文字で、紙面に書かれたパスパ文字の資料は少なく、西蔵自治区公文書館に保存されているこれら4点は、元代の西蔵地方政府との関係などの研究に非常に大きな意味を持つ。そのほかの18点はチベット文字の鉄券(瓦状の鉄製証書)文書で、作成年代は1304年から1367年と推定され、当時の地方政権の保有者が管轄の官僚や寺に下達した文書が中心で、サキャ法王の法旨やパクモドゥ王の文書も含まれている。これらの文書は保存状態が良く、その歴史的・文化的価値を人々に知らせることは、元代の西蔵地方の政権の変遷や経済発展水準などの研究に大きな意義を持っている。これらの22点は、西藏自治区公文書館の貴重な歴史公文書のわずかな一部にすぎない。整理された100万点の資料から選び抜かれたこれらの西蔵歴史公文書は、長い歴史と高い価値を持っている。

「人民網日本語版」2014年6月12日


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