また他の外資系メーカーに比べ、VWは上半期の中国での販売台数が最も多く、今年は通年の販売台数で1位に返り咲く可能性がある。またVW傘下のアウディやポルシェといった高級ブランドも中国市場で極めて強い力を発揮している。アウディは上半期に27万2千台を売り上げて、中国高級車市場のトップに立ち、ポルシェの販売台数も同8%増加した。
一方、トヨタは上半期の中国販売台数は46万6千台で、今年6月単月では前年同月比7.6%減少した。これにより中国で9カ月続いた増加が減少に転じた。その原因として、一汽トヨタの主力車種であるカローラがバージョンアップの時期にさしかかっていること、広汽トヨタが新たな展開の準備に忙しく、人気高級車のカムリでもかつてのような輝きを放てずにいることが挙げられる。
またトヨタ傘下の高級ブランド・レクサスは、中国高級車市場での業績が以前ほど思わしくなく、上半期の増加率が最も小さい高級車ブランドになった。今後も国産化の実現は難しく、ブランド力の向上も難しいため、レクサスの販売台数は低い水準が続くとみられる。
VWは13年、中国市場での販売台数が9年ぶりにGMを抜き、トップに躍り出た。こうしてVWは世界販売業績でGMにより一層接近し、その差はわずか1万台になった(13年の世界販売台数はVWが970万台、GMが971万台)。14年上半期には、VWの販売台数がGMを抜いて世界2位になった。ここからわかることは、中国市場がVWの世界販売実績を押し上げているということだ。
13年のトヨタの世界販売台数は998万台で、VWとは数十万台の差しかなく、その開きはさほど大きくないことがわかる。最近、VW中国法人は新工場を建設しており、生産能力の大幅な拡大が見込まれる。また中国市場では、VWはトヨタより優れたコピーやブランド力をうち出しており、これらが中国市場はもとより世界市場におけるVWの発展を引き続き後押しするとみられる。今後数年で、VWが中国市場での伸びをよりどころとして、トヨタを抜いて販売台数世界一を達成する可能性は高いといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年8月4日