2014年8月7日  立秋
 

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<北京のお気に入り> 言葉より早く国境を越えた将棋-AKB48作曲家 (4)

人民網日本語版 2014年08月06日14:57

「ノリで来てしまった」ため、中国のことはほとんど知らなかった。もちろん仕事のツテも一切なく、言葉もしゃべれない。自分を売り込んで仕事をしていくことを考える前に、生きていくことで精一杯だった。しかし、北京での生活を続けていると、思わぬ嬉しい誤算が次々と起こっていった。

――中国では日本の漫画・アニメを好きな人が多くて、特に「ワンピース」がすごい人気だということぐらいは知っていましたが、まさか自分が関わってきた「AKB48」や「LoveLive!」といったコンテンツがこれほどまでに人気があるとは全く想像していませんでした。暮らしていく中で出会った人達の中から「AKB48の作曲家が北京に住んでいる」というような噂が広まっていき、あっという間に拡散されていったようです。

きっかけはAKB48のコスプレサークルの女の子と偶然出知り合ったことだった。中国ではコスプレが1つの大きな文化となっていて、プロのコスプレイヤーが当たり前のように存在する。そんな中、最近は大学生や高校生の間でAKB48のコスプレをするサークルが流行っている。中には劇場を貸し切って「公演」(AKB48の公演を参考に既存の曲をカバーダンスをする)を行い、それを埋めてしまう程のファンが付いているサークルも少なくない。

そのうちの1つに所属する女の子の微博(ウェイボー)の書き込みから、AKB48の「風は吹いている」の作曲家が北京にいるという情報が広がっていった。そして、北京に住み始めて半年経つ頃にはアジアNo.1のIT企業「騰訊控股」や、中国のゲーム業界大手の「畅游」など、次々と仕事の依頼が来るようになった。

中国人が自分に興味を持ってくれるのは単純に嬉しいという河原さんだが、それでもあるゆずれないこだわりがあった。

――北京にはお金を儲けたり、地位や名誉が欲しくて来ているわけではないので、地元のミュージシャンにとって危険な外来種にはなりたくないんです。だから、中国人がやらないタイプの作品だったり、僕のスタイルに対してリスペクトがあるような意義のある仕事だけをちゃんとした単価で受けるようにしています。

例えば、「畅游」の新作ゲーム「幻想神域」では、「中国のゲームの主題歌を日本語で制作する」という画期的なプロジェクトに携わりました。これは中国のゲームで初の試みです。結果としてこの作品は幸先の良いスタートを切り、今年リリースされているゲームの中でも特に注目されました。その点で僕もプロモーションに貢献出来たかなと思っています。今後も「中国のゲームの主題歌を日本語で制作する」ということが続いてくれたらこんなに嬉しいことはないです。

別の案件では騰訊控股が製作したアニメ「王牌御史」 のオープニング曲を手掛けたことも印象に残っています。この作品は中国版ボーカロイドのデザインを担当した「ideolo」氏など中国でも個性の強いクリエイターたちが集まった企画で、最初に公開された00話の反響は想像以上でした。

中国のアニメには「オープニング曲を作る」という概念があまりないのですが、これが当たり前になれば現地のミュージシャンの仕事が増えるのではないかと思っています。そんな未来が待っていたら嬉しいですね。


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