西アフリカ4カ国のギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネのエボラ出血熱流行により、8月4日までに累計1711人の感染者(疑いを含む)が確認された。死者は932人。今月2日から4日まで、45人が死亡した。リベリアのサーリーフ大統領は6日、エボラ熱が「国の存亡」を脅かしていると表明した。
■エボラウイルスとは?
エボラウイルス(モノネガウイルス目フィロウイルス科に属するウイルスの1属)は人類と霊長類のエボラ出血熱を引き起こす急性のウイルスで、致死率は50−90%と高い。主な死因は脳卒中、心筋梗塞、乏血性ショック。ウイルスの名称は、コンゴ民主共和国(当時ザイール)のエボラ川で発見されたことにちなんでおり、モノネガウイルス目フィロウイルス科に属するウイルスの1属の総称となっている。<詳細へ>
■潜伏期間
エボラウイルスのバイオセーフティレベルは4(エイズは2、SARSは3、レベルが高いほど警戒が必要)。ウイルスの潜伏期間は2−21日に達するが、通常は5−10日で発症する。
■分布地域
エボラ出血熱は、現時点では主に一部の地域のみで流行しており、中央アフリカの熱帯雨林、アフリカ南東部の熱帯草原に限られている。しかし当初はスーダン、コンゴ民主共和国のみで発症していたのが、現在はコンゴ共和国、中央アフリカ共和国、リビア、ガボン、ナイジェリア、ケニア、コートジボワール、カメルーン、ジンバブエ、ウガンダ、エチオピア、南アフリカにまで感染が拡大している。アフリカ以外の地域でも少数の感染例が報道されているが、渡航者や実験室内のアクシデントによる感染のみで、エボラ出血熱の流行は発生していない。エボラウイルスは一部の国と地域で断続的に流行しており、時間・空間の幅が限られている。<詳細へ>
■感染対策
○感染状況のモニタリング、感染の予防の強化
世界保健機関(WHO)は現時点で、感染地域への渡航や、貿易の禁止令を出していない。WHOはこのほど、エボラ熱感染地域への渡航について、旅行やビジネス目的の渡航者が感染する可能性は非常に低いと発表した。すでに確認されているエボラウイルスの主要感染ルートは、感染者の血液・分泌物・その他の体液との接触、もしくは感染者の死体との接触だ。<詳細へ>
○アフリカの動物持ち込みは危険
エボラウイルスの中国上陸を防ぐため、国家質量監督検験検疫総局はこのほど、各地の検疫当局に対して、エボラウイルスの中国上陸を防ぐよう求めた。特にアフリカなどの感染地域からの便に対しては重点的に検査を実施し、ウイルスの中国持ち込みを防ぐ。WHOは、エボラウイルスは西アフリカで猛威を振るっているが、中国がこれを過度に恐れる必要はないとしている。<詳細へ>
○合理的な食生活で免疫力を強化
免疫力は人体の防御システムで、ウイルスや細菌などの外から入った遺物を識別・消滅できる。免疫力は老化・損傷・死亡・変性した自身の細胞を処理し、突然変異した細胞とウイルスに感染した細胞を識別・処理する能力を持つ。現代免疫学は、免疫力は人体が「他者」を識別・排除する生理反応としている。人体でこの機能を担うのは免疫系で、合理的な食事、栄養価の高い食品の摂取など、さまざまな手段により免疫力を強化できる。特に子供の免疫力の強化に注意が必要だ。<詳細へ>