自動車業界を例とすると、中国人消費者の批判を浴びているのは、輸入車の価格吊り上げだ。BMW 650iGranCoupeの場合、米国での販売価格は9.11万ドル(約930万円)だが、中国市場での販売価格は米国の約3.5倍の200万5000元(約3326万円)となっている。また、自動車部品の価格も、信じられないほど高額だ。ベンツCクラス(W204)のすべての部品を交換した場合、その費用は完成車販売価格の1273%に達する。
専門家は、「外資系企業は中国で長期的に超国民待遇で厚遇されていたが、これは市場独占の重要な原因の一つだ。対外開放初期、各地は外資系企業の投資を招くため多くの土地を提供し、税収面で優遇措置を講じた。また監督管理の法律に不備があったことから、グローバルグループのダブルスタンダードという、相手によって基準を変える悪習が形成された」と指摘した。
経済コメンテーターの余豊慧氏は、「外資系企業の超国民待遇はこの時代に適しておらず、国内企業に対して不公平で、中国人消費者の利益が損なわれる。これはまた、市場の経済法則と法律を損ねる行為でもある」と語った。
◆外資叩きは事実無根
しかしながら一部の海外メディアは、中国の関連部門による調査について、中国が独禁法により外資系企業に圧力をかけていると批判した。中国商務部研究院研究員の梅新育氏は、「中国の独禁法には、その他の主要経済体と比べて極端な点は存在せず、温厚と言えるほどだ。欧米などの先進国はこれまで、マイクロソフト、メルセデス・ベンツ、アウディなどの企業の独禁法違反を指摘し、厳罰に処している。これらの企業が中国市場で占めているシェア、売上は、欧米に勝るとも劣らないが、中国はなぜ独禁法違反の行為を調査できないのだろうか」と疑問を呈した。
梅氏は、「証拠が確かで、上述した外資系企業が中国の独禁法に違反していることが確認できるならば、どうして独禁法によりこれらの違法行為が存在する外資系企業に圧力をかけ、改善を求めてはならないのだろうか。外資系企業は、中国で治外法権を持つというのだろうか」と指摘した。
独禁法の施行以来、中国はまず自国の企業に捜査のメスを入れた。2011年には中国電信(チャイナ・テレコム)と中国聯通(チャイナ・ユニコム)が、2012年と2013年にかけては貴州省茅台集団と五糧液集団が調査の対象となった。処罰を受けたのは、いずれも国内大手だ。梅氏は、「外資叩きのレッテルを、外資系企業に超国民待遇の厚遇を与えてきた中国に貼り付けるとは不可解だ」と語った。
沈報道官は、「中国政府はこれまで通り内外一致の原則を貫き、健全で法制化された商業環境を構築し、公平・公正にすべての市場の主体を扱い、投資家の合法的な権益を法に基づき保護し、グローバル企業と中国企業のさまざまな形式による協力の継続を歓迎する。同時に、外国の投資家と外資系企業は中国の法律を順守し、社会的な責任を担わなければならない」と強調した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月12日