中国電子科技集団が開発した、中国初のGBAS衛星測位着陸システムがこのほど、天津浜海国際空港で取り付けと試験を実施した。同空港は国内で初めて同システムを取り付け、同システムの耐空証明書の取得に取り組む国際空港となった。人民日報が伝えた。
専門家は、「同システムは従来型の着陸システムにあった問題(飛行ルートの柔軟性への影響、空港の利用客数の技術的制限)を解消し、空港のより安全で効率的な運営に新たな手段を提供した。これは中国が同システムの技術を全面的に把握したことを意味する」と指摘した。
GBASシステムは、地上型衛星航法補強システムと呼ばれる、空港における航空機の着陸・離陸を誘導する新しいシステムだ。同システムは衛星測位情報を利用し、一連の精密計算処理を行い、接近する航空機により安全で、信頼性・正確性の高い誘導情報を提供し、航空機の正確な着陸を実現する。
飛行中で最も危険な、パイロットの技術が試される段階は、航空機の着陸だ。パイロットは着陸を行う際に、目視のほか、測位着陸システムを使用する必要がある。航空機の方向と下降の高度を調整し、飛行の姿勢を整え、航空機を滑走路に向かわせ、着陸可能な高度に下降しなければならない。
民間航空機で幅広く使用されているのは計器着陸誘導システムで、下降角度が固定された、滑走路の中心線に向かう一本の直線のルートしか提供できない。これによりパイロットの技術・経験が重要になるほか、気候条件や障害物により信号が干渉を受ける可能性がある。大型機は、信号に干渉を与える障害物になることもある。同システムを使用するためには広面積の保護区が必要で、着陸地点も平らでなければならず、一部の空港では客観的な条件から取り付けが不可能だ。
伝統的なシステムと比べ、GBASはさまざまな角度とルートを提供できる。航空機は障害物と敏感な地区を迂回・回避することができ、飛行の安全性が大幅に引き上げられる。特に着陸中に、GBASは安定着陸を支援し、乗客の快適度を高める。また空港の利用客数を大幅に拡大し、空港の運営コストを削減し、航空便の遅延率を引き下げ、管制・飛行の効率を高めることができる。
研究チームは、既存のGPSに基づくシステム開発と同時に、中国の衛星測位システム「北斗」に基づくシステムの開発も進めており、北斗の民間航空での普及を促している。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月12日