2014年8月25日  
 

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中国語で世界の扉を開けた作家・新井一二三さん (2)

人民網日本語版 2014年08月25日15:51

2年間の留学後、日本に帰国して「朝日新聞」の記者になった新井さんはその後、カナダのヨーク大学などで政治学や新聞学を学び、英語での文章も手掛けるようになった。そして、1994年には香港に移り、「亜洲周刊」の中国語特派員になり、香港紙「明報」や「星島日報」などに中国語の記事を寄稿するようになった。2005年には東京に戻り、主に中国語の文章などを中国の雑誌に提供している。

日本人である新井さんが、中国語の世界でも成功している秘訣は何なのだろう。新井さんの作風は「分かりやすくて自然、かつおもしろい。日本の文学の味わいもあるが、中国語に対する美的感覚も感じられる。作風はシンプルでも、その背後には社会に対する訴えや文化的思考もある。文章を書くときは主に記憶に頼り、濾過された感情にはやさしさを感じる。『知識も豊富で、誠実』と称され、現代の日本、ひいては今の時代の模範」と評価されている。確かに、中国語で書かれた新井さんの文章は、文章作成を飯のタネにしている多くの中国人よりも上手い。母語ではない中国語で、この域に達している新井さんには敬服させられる。

東京の都市化を経験した新井さんは、北京オリンピックや上海国際博覧会を経験した中国人と同じ感想を述べている。「東京の経済発展により、いつの間にか私達世代の思い出が永遠に消え去った。昔なら当たり前だったものが、今ではどこにもないことに人々は突然気付く」。

新井さんは、文芸評論家・磯田光一の著作「思想としての東京」にも言及し、「東京は単に場所ではなく、思想。全国各地に『上京』したい若者がおり、地方からやって来て奮闘する住民たちは、東京をうまく利用したいと思っている」とし、「毎日街を歩く時、私は中国語で考えるようにしている。私は日本人だが、中国語で考えると、一つの問題を見る視点が普通の人とは異なると思う。私にとって中国語とは、世界の扉を開ける『鍵』」と語っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2014年8月25日


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