日本では近年、美白を好み、日傘をさす男性が増加している。2013年には、「日傘男子」という言葉も生まれた。まだ、「見慣れない」という人も多いかもしれないが、焼けつくような日差しの夏になると、日本では陰を求めて、堂々と日傘をさす男子が増加する。
年間1000本以上の男性用日傘を扱う「心斎橋みや竹」の宮武和広さんによると、酷暑だった昨年、「洋傘業界全体でみれば、少なく見積もっても以前の3倍は売れた」という。また、日傘を「父の日」のプレゼントにする人も多い。「日傘というと紫外線対策にばかり目がいきがちだが、熱中症対策や薄毛対策としても効果的。男性用日傘は晴雨兼用がほとんどで、ゲリラ豪雨にも慌てずにすむ」と宮武さん。
日傘をさす男性が日本で増えていることには、政府の「お墨付き」も関係している。環境省が2011年に発表したヒートアイランド現象が生じた場合の人への影響を軽減する対策として、上着を着用しないクールビズと共に、男女問わず日傘を活用することがすすめられている。
しかし、男性が日傘をさしている姿はよわよわしく見えて、「見慣れない」という人も多い。伝統的に、「汗水たらして働く」というのがモテる男性の条件だからだ。このような固定観念が邪魔して、日傘をさしたくても、させない男性も多い。
また、「周囲にさしている人がいないから、自分もささない」という人も多い。このような考え方とモテる男性に対する固定観念が合わさり、どんなに暑くても、ほとんどの男性が日傘をさす勇気がわかない。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも、「気持ち悪い」など「日傘男子」に対する中傷が多い。
小さな日傘が、現在の日本社会に存在する束縛感を映し出しているという分析もある。日本社会は、「男らしさ」に重きを置きすぎ、一人ひとりが個性を表すことが難しいというのだ。社会には、「男らしい男性」以外に、「女性のような男性」など、さまざまな男性がいるもので、さまざまな個性が伸びる社会にしなければならない。「男性が日傘をさすのもいいね」という雰囲気作りが、実際には社会の閉塞感打破につながるのだ。固定観念を変えるよう試してみてはどうか。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年8月25日