第二に、相互接続により、ユーラシアの一体化が推進される。欧州のある研究チームは2010年に欧州評議会に提出した研究報告の中で、「EUは将来、脇に追いやられ、ユーラシア大陸においては益々全く重要でない西部の半島となるだろう」と警告した。高速鉄道を初めとした相互接続により、欧州は地理的な隔たりを打破し、台頭するアジアという高速列車に乗り、このすう勢を逆転させることができる。欧州委員会がこのほど打ち出した「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」では、2030年までにEUの交通中核ネットワークを完成させるとしている。2014年から2020年、EUの同プロジェクトへの投資総額は260億ユーロに達し、主に中核ネットワークとなる9件の回廊プロジェクトの建設に使われる。EU内のクロスボーダー交通インフラの最適化、EUの中核ネットワークの構築により、EU単一市場の大動脈とすることを目指す。中国のシルクロード計画との結合が実現すれば、鉄道、道路、海路、空路、油・ガスパイプライン、送電線、通信ネットワークからなる、総合的かつ立体的な相互接続ネットワークが建設される。さらにこれらのネットワークに沿って、関連のサービスや産業クラスターが形成され、貿易・投資の利便化が推進され、経済技術協力が深化され、自由貿易区が設立され、最終的にはユーラシアの大市場が形成される。
第三に、第3者との協力により、大陸間の調和の取れた発展が促進される。中国は世界に進出する上で経験が不足している。欧州は殖民システムにより、過去および現在においてアジア・アフリカ・中南米国家の発展に深い影響を与えている。欧州を通じてアフリカ・中南米に影響を拡大することは、中国・欧州協力の潜在力を発掘する上でまたとない選択だ。第3者との協力を通じ、ゼロサム思考を避け、植民地主義-新植民地主義間の非難から抜け出すことは、中国・欧州が国連ミレニアム開発目標を着実に実施し、大陸間の調和の取れた発展を促進するための時代の呼び声である。
李総理が今年2回目の欧州歴訪を行い、中国・欧州協力で大陸間協力を推進する。これは、中国・欧州の全面的戦略パートナーシップがより全面的になり、戦略の内容がよりグローバル化している表れだ。EUが中国のチャンスをつかむことは、危機から脱し、振興を実現するための希望だ。このことを、世界は喜んで迎えるべきだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年10月9日