2014年12月4日  
 

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高倉健と村上春樹 中国社会が受け入れた日本の大衆文化 (2)

人民網日本語版 2014年12月04日14:11

高倉健が時代を象徴する人物だとすれば、村上春樹は今も時代の先端に立ち、影響力を発揮し続けている。この20年あまり、中国は急激な都市化を迎え、経済が急速に発展した。人々はもはや「社会の物事」に関心を持たなくなり、個人の生活や精神世界を豊かにすることに注目するようになった。村上春樹より前、中国大陸部では瓊瑤や金庸などの小説が流行したことがあるが、これらの小説は農業文明を描いたベストセラーであり、徐々に時代のニーズに追いつかなくなった。村上春樹は、大都市に住む個人がいかに生活を味わうかを描いており、都市化の中の社会ニーズに合致している。このため、都市で働くホワイトカラーや小金持ちがハルキストとなっていった。

過去、長期的に存在した集団主義の思想に比べると、個人生活への回帰は良いことだ。学者・姜建強氏が言うように、村上春樹の小説に出てくる「私」はいつも強い独白性・個人性を持っている。このような、内面を見つめる生き方は、外の社会的価値に重きを置く生き方よりも優れており、伝統的な価値観への反逆、再生とも言える。しかし、個人の小さな世界に浸り、その小さな世界を物質で飾り立て、己の楽しみや悲しみだけで満足していると、広い世界に関心を持たなくなり、現実問題から目を背け、果てはシニシズムに陥ってしまう。村上春樹の小説が持つ内在的な危機やマイナス影響はここにある。

村上春樹は自身が影響を受けた作家として、フランツ・カフカ、スコット・フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァーを挙げている。村上春樹は大衆文化の外側に、純文学の内容を飾りつけようと試みた。しかし、現代人の異化の描写において、村上春樹はカフカには敵わない。夢の幻滅の描写において、フィッツジェラルドには敵わない。一般人のジレンマの描写において、カーヴァーには敵わない。それでも村上春樹が純文学の方向に向けて努力しているというのなら、その影響を受けた中国の若手作家は、彼に遠く及ばない。衛慧、アニー・ベイビー、郭敬明などの小説は、村上春樹の流行の要素を借りたものだが、純文学の精神からはさらに遠ざかっている。(編集SN)

「人民網日本語版」2014年12月4日


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