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呉清源から学ぶ「大国」の生き方 (2)

人民網日本語版 2014年12月08日09:34

もっとも、進取にも保守にもどちらが優れているということはない。その背景には、それぞれの性格、哲学、時代が存在している。

韓国の朴槿恵大統領が中国を訪問した際には、習近平主席は中国の囲碁棋士・常昊を紹介した。習主席が韓国を訪問した際には、韓国側は李昌鎬との面会を準備した。朴大統領は、複雑な頭脳のゲームである囲碁は人生という旅に似ていると語った。習主席は、「囲碁には人生と世界の戦略が隠されている」と応えた。棋聖・聶衛平はかつて、「教えても下手なら顔が立たない」と習主席の碁の師匠となるのを断ったことがあるという。だが政治家として国内外の広大な碁盤に向かっている習主席の「世事は碁の如し」という心得の深さは、聶棋聖の比ではないだろう。

歳月は水の流れのようである。光陰は流転し、世界の万物は囲碁の白黒の石のように、時間坐標に沿って時には対立し、時には和合する。時勢を作るのに長けた者は、あらゆる一手が全局のバランスを考えたものでなければならない。「碁盤上のすべての石の効率を発揮させる手こそが最良の一手である」。

「韜光養晦、有所作為」(能力を隠して力を蓄え、少しばかりのことをする)、「効率を優先し、公平にも配慮する」、「一部の人をまず富ませ、共同で豊かになる道を取る」。弁証法をあがめる中国のような国を理解しようとすれば、スローガンの字面だけを見ていたのではただ混乱するだけである。音のない変化の中で、雲や水のように自然な碁石の運びを感じてこそ、この国の表面に現れない変動の局面を把握することができる。

西洋将棋(チェス)と中国将棋の違いをもって中華文化の保守性や陳腐さを指摘する人がいる。だが中国人の奥底にある精神性を代表するのはむしろ囲碁である。帝王や将相の厳しい等級はなく、361石は皆平等である。覇道ではなく王道である。

こうしたことがわかってこそ、「誰将百歳人間事,隻換山中一局棋」(百年間の世の中のできごとが山中の碁の一局にすぎなかったと誰が信じてくれるだろうか)という境地に至ることができる。そしてそれがわかってこそ、合従連衡の知恵を大国と人生の碁盤に傾けることができる。(編集MA)

「人民網日本語版」2014年12月8日


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