構造改革が進展しなければ、日本経済を活性化させても、再び衰退に陥るというのがおおかたの一致した意見だ。日本の構造的問題が象徴的に現れているのは債務問題で、現在の公的債務残高の対GDP比は240%前後に達し、世界の主要エコノミーの中で最も高い。日本は税収を増やす必要があり、安倍政権も前与党の民主党も消費税率引き上げの必要性では一致している。問題は、増税はデフレ圧力を高める政策であり、日本経済もグローバル経済も好調とはいえない今、必要なのは活性化と緩和ということだ。気付け薬を飲みながら下剤を飲むような日本のやり方では、内分泌系の調子がおかしくなる可能性がある。バランスを取ろうとするなら、導き手が必要であり、タイミングも必要だ。タイミングについていえば、現在のグローバル経済は過去数十年のような高度成長を再現することは難しく、日本の創造力や製造業は過去20年間にわたり低迷を続けており、日本にとってよい状況ではないことは明らかだ。
日本経済が難局を脱したいなら、導き手がぜひとも必要だが、安倍首相がそうした存在になれるかどうかは大いに疑問だ。アベノミクスの3本目の矢は正確な処方箋を示してはいるが、実行は非常に難しい。日本経済の構造改革にまず必要なことは規制緩和だ。だが独占的な財閥という問題が解決を難しくしている。次に必要なことはもう一つの根本的問題である人口問題だ。この問題が日本経済を20年にわたり弱体化させ先行きを暗いものにした最も根本的な原因だと考えられるのだ。日本の人口問題は主に高齢化と人口減少に現れている。厚生労働省が2014年1月1日に発表したところによると、13年の出生数は103万1千人で前年比6千人減少した。同年の死亡数は127万5千人で同1万9千人増加し、増加率は第二次世界大戦以降で最高を更新した。計算すると、昨年の日本は約24万4千人の自然減で、12年の21万9千人を上回る新記録となった。07年以降、日本の人口の自然減、すなわち死亡数から出生数を引いた数は拡大を続けている。昨年11月には65歳以上の人口が全体に占める割合は初めて25%を超え、日本は世界で最も高齢化が進んだ国の一つになった。
人口問題の解決が日本の経済問題のカギだ。人口の減少が続けば、経済政策や構造改革が帳消しになり、経済全体もますます弱体化していく。よって人口問題の解決こそが日本が苦境を脱する唯一の根本的な道になる。安倍政権が放った3本目の矢は優れた人材の移民をより多く受け入れることを提起するが、日本は優れた労働力に不足してはいない。足りないのは一般の労働力と消費者だ。日本は毎年50万人前後の移民を受け入れなければ人口減少のもたらす巨大な圧力に抗しきれない。だが日本社会は文化的問題への懸念が強く、移民の受け入れには相当の覚悟をしなければならない。この点が変わらなければ、日本経済は有効な脱出口を見いだせない恐れがある。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月12日