「平和を強く望もうとすると、代償を伴うもので、ひっきりなしの妥協は許されない。音楽は音を媒介としてあらゆる中国人の心の声を表現するものだ」と語る葉氏は、「南京を題材にした作品は、南京大虐殺犠牲者国家追悼日のために創作したわけではなく、完全に自分の感情から自然に発生してきたものだ。これは、一人の芸術家の歴史的な事件への責任感の表れでもある」と強調する。この言葉通り、葉氏は、南京大虐殺記念館を見学しただけでなく、南京大虐殺の生存者にも取材を行った。
葉氏によると、「平和祭」は全部で「南京」「石頭城」「平和祭」の3楽章からなるが、今回は戦争への悲嘆や失望と同時に、消えることはない平和への祈りを描いた第3楽章目の「平和祭」を先に上演したという。
「平和祭」の第3楽章には合唱が取り入れられているが、そこには南京大虐殺記念館の碑文から取った歌詞が並んでいる。「白き骨を水のごとく清め、御霊を安らかに鎮まり給う…恨みや憎しみを過去に流し、和解の心で今日を埋める…」。
南京大虐殺犠牲者国家追悼日のイベントが終わった後、葉氏は南京を題材にした作品を外国で上演する予定だ。抗日戦争および反ファシズム戦争勝利70周年にあたる2015年には、「中国ストーリー」音楽会の巡演の一部として、「遥か遠い我が南京」や「平和祭」を通して皆に南京ストーリーを披露する予定だ。
葉氏は次のように語る。「心の中に、ずっと消えることのない一つの願いがある。それは、いつか、日本へ行って、南京を題材にした交響曲を上演したいというものだ。実現するのは困難だと思うが、音楽を通して日本の国民に中国人がかつて経験した苦しみや平和への願いを感じとって欲しいと思っている」。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年12月17日
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