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<企画>中国 いよいよ現実となる「定年延長」 (2)

人民網日本語版 2015年03月12日16:44

▽各国の定年退職年齢 65歳が多数

「定年退職後の生活」というのは、どの国の国民にとっても大きな関心の的。多くの国で高齢化が進むにつれ、定年退職年齢の引き上げが、年金制度を保つために欠かせない対策となっている。各国の定年退職年齢は何歳なのだろう?

米国:年金支給と退職は別問題

米国は1983年に社会保障法を改正し、1943年以前に生まれた人には、65歳から年金を支給するのに対し、43-54年の期間に生まれた人に対しては、66歳から支給すると規定した。60年以降に生まれた人の場合、67歳から支給される。

ドイツ:定年退職年齢を段階的に引上げ

ドイツは定年退職年齢を何度も変更しており、現在はその年齢を段階的に引上げている。世界で最も早く年金制度を制定したドイツは、1889年に関連の法律・法規を制定した。同国は長期間、法定定年退職年齢を65歳と定めていた。

日本:定年退職年齢に男女差なし

高齢化問題に悩まされ続けている日本は現在、65歳定年制を実施している。<詳細へ>

▽定年延長によってもたらされる6つの問題

問題1:定年退職後の人生が短すぎる?

2010年に実施された第六回国勢調査の統計データによると、全国人口の平均寿命は74.83歳。平均寿命が伸びないと仮定すると、65歳で定年を迎えた後、残された人生の時間は10年にも満たないことになる。

問題2:定年延長後、誰が小さい子供の面倒を見るのか?

数年前に行われた調査から、北京では8割、上海では5割から6割、全国では約半数の子供が、祖父母に面倒を見てもらっていることが判明した。定年が65歳に延長されると、彼らの孫世代の面倒は、一体だれが見るのだろうか。

問題3:前期高齢者は、労働災害に見舞われやすい

まだ60歳を過ぎたばかりの前期高齢者は、身体的な条件は若者よりはるかにハンディがあり、仕事中の負傷など労働災害に見舞われる場合も多い。これらの前期高齢者に対する労働保障措置が完備されなければ、労働災害が増えるという状況は避けられないであろう。

問題4:企業コストが増加する

今の5種類の社会保障費に関し、企業側・従業員いずれにも、かなり大きな負担がかかっている。このうち最も大きいのは、年金と医療保険だ。社会保険費の負担が多くの企業に重くのしかかっている現状から、定年延長によってその負担がさらに大きくなると予想される。

問題5:高齢者の「失業」状態が長引く

医師や技術者など、経験豊かなほど歓迎される特別な職業をのぞき、企業は若い人を雇用したがるものだ。多くの高齢者にとって、仕事を見つけることはより難しくなる。よって、定年が延長されると、「失業状態」が長引くことになる。

問題6:非正規雇用労働者の負担が増加する?

正規に雇用されていない労働者がまだまだ多いのが現状だ。企業側は、このような人々に社会保険の加入手続を行っていないため、彼らは自分で社会保険に加入しなければならない。定年延長は、彼らが年金を受給できる年齢が数年遅れることを意味しており、生活に対する圧力が高まるのは間違いない。<詳細へ>

<関連動画>中国の高齢化社会をどのように支えるのか

 

「人民網日本語版」2015年3月13日


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