文部科学大臣が指定する「重要無形文化財」は一般に「人間国宝」と呼ばれ、内閣総理大臣や地方政府に表彰され、叙勲の対象となることもある。日本のフジテレビが放映したブルーカラー技術を対決させるバラエティ番組「ほこ×たて」は、各種分野の技術者たちの技術の粋をみせる番組となり、超絶的な技術力を紹介しただけでなく、日本人に代々受け継がれてきた「匠の心」を今に伝える番組にもなっている。
他国に比べ、日本や日本人はオリジナルを作り出す力が弱く、イノベーションでは優位に立てない。だが日本人は取りこむのがうまく、特許を使用できるようになれば、あらゆる製品を改良し、さまざまな細かい工夫を加え、ライバルとの戦いに乗り出す。実際この通りであり、多くの場合に日本は目的を達成する。しょう油、ラーメン、将棋などはいずれも中国で誕生したものだが、今では日本の商品や日本語の名称・言い方が欧米で広く知られている。このことはよく考えるべきだ。
日本人の製品に対する真剣な姿勢は、ニセ物・粗悪品に対する厳格な監督や厳正な処分の上に現れている。企業がニセ物を作っていることが発覚すれば、すぐに大問題になり、企業は大きなイメージダウンとなって破産や倒産に追い込まれることもある。ニセ物作りの結果は甚大で、企業は品質の管理を厳格に行うことを余儀なくされる。
中国では市場の監督管理がそれほど厳正でないことから、悪貨が良貨を駆逐する現象がしばしば起こっている。華人によって設立された中国通信社営業部の姜徳春部長は、「中国に技術者がいないわけではなく、技術が人に及ばないという問題があるわけでもなく、足りないのはこうした人々が知恵や才能を発揮するメカニズムだ。市場経済、自由で公正なメカニズムの下で、消費者と政府と企業が力を合わせてニセ物・粗悪品に居場所を与えないようなムードを醸成すれば、中国製造業は大きく変わることになる」と話す。
実際、日本で売られている商品の多くは、とりわけ中国人観光客に大人気の便座は、中国で製造されたものがほとんどだ。だが日本の基準と技術的な要求を踏まえているため、品質は確かだ。ここからわかることは、中国の製造能力に問題はないということだ。「匠の心」をもち、細部にこだわって消費者のニーズに対応し、研鑽を積みさえすれば、より歓迎され、消費者の好みにより合った製品を開発し生産することが完全に可能だといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月24日