いつからか、「食品」と「発ガン性」が結びつけられるようになり、ネット上で同2語を入力して検索すると、コーラやインスタントラーメン、牛乳、豆乳などがガンの原因になるなど、無数の検索結果が出てくる。今回、中国工程院のメンバーで、国家食品安全リスク評価センターの研究員である陳君石に、「ガンの原因になる」と誤解されている食品に関して、説明してもらった。生命時報が報じた。
牛乳
「牛乳を飲みすぎるとガンになる」という見方は以前からある。牛乳に含まれる、「インスリン様成長因子1(IGF—1)」という成長ホルモンが、ガン細胞の成長や繁殖を刺激し、ガンを引き起こすとうのがその理由の1つだ。陳氏によると、IGF—1は、体から分泌され、血糖値の抑制や成長・発育などの面で重要な役割を果たしている。人体にもIGF—1が含まれ、大人一人当たり1日1000万ナノグラム(10億分の1グラム)が生成されている。一方、牛乳に含まれているIGF—1は、1リットル当たり2.45ナノグラムで、人体で生産される量をはるかに下回っている。そのため、科学界では現在、IGF—1がガンの原因になることはないと見られている。実際には、牛乳はカルシウムを豊富に含み、消化吸収もされやすいため、カルシウム補給に効果的だ。