北京の南鑼鼓巷の露店で「老北京」の軽食や中国の伝統料理文化を理解する日本人観光客
■歴史の認識は国境を越えるべきであり、青年世代は信頼で溝を埋めるべき
「中日間は地理的に非常に近く、頻繁に『一衣帯水』という言葉で形容される。東京から北京に到着するまでの時間は、北京から中国内の多くの大都市に行く時間よりも短い。しかし、心理的距離は、遠いだけでなく、溝まである」と語る中国史学会会長、中国社会科学院近代史研究所研究員の歩平氏は、「距離を縮め、溝を埋めることが中日の有識者がやるべき仕事だ」という見方を示した。
歩平氏は、「中日の歴史問題を簡単に政治化あるいは感情化させてはならない。相互理解を基礎に、我々は歴史認識が国境を越える重要性を理解するべきだ」として、「自己認識の基礎の上、謙虚で、冷静に相手の視点や認識を理解するべきだ。特に、相手の歴史観が生まれた背景や原因を理解し、意見を交換する中で共通点の認識を探し出すと同時に、認識の違いを受け入れるべきだ」と指摘する。
■2大国が並列的に存在する時代 改革が引き起こす社会的緊張や不満は民族主義に変わりやすい
討論の中で、北京大学歴史学科の王新生教授は、「現在中日関係を深く討論する際、両国の歴史的背景から離れることはできない。1つには、中日両国の経済の実力が逆転したこと、2つ目は両国共に改革に苦労しており、歴史の転換期に差し掛かっていることだ」という見方を示した。
また王新生教授は、「中国は改革開放から30数年が経過し、すでに輝かしい業績を挙げているが、現在の中国の発展モデルは新しい方向性を探さなければならない時期に来ている。我々は加工貿易の輸出に頼った発展モデルの基本スタイルを転換させなければならないが、改革は非常に困難である」として、「苦難に満ちた改革は社会の緊張や不満を引き起こす。このような不満は特定の条件下で一種の民族主義に変わりやすい。中日両国はちょうど各自が民族主義の感情を吐き出すのに最適な対象である。このため、中日関係は現在最大の苦境に直面しており、これを解決するには時間が必要だ」と指摘した。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年6月24日