グローバルな調達は自動車メーカーの利潤を高めた。だがこうした緊密すぎる関係は、自動車の生産チェーン全体を脆弱にしている。生産チェーンの輪が一つ一つつながっているということは、どこかの輪で問題が発生すれば、チェーン全体が断裂してしまうということを意味する。
▽リコールの集中発生が「ニューノーマル」に
世界の自動車部品市場において、日本の自動車部品産業は技術面での高い優位性を誇っている。この優位性によって、日本の部品メーカーは独占同盟を築き、各国の自動車生産における日本の部品メーカーへの過度な依存を導いた。
データによると、米紙「オートモティブ・ニュース」に選ばれた2014年の自動車部品のトップ100社のうち、日系企業は29社に達し、米国を6社、自動車工業大国ドイツを10社上回った。さらにランクインした企業は世界の自動車部品産業にほとんど競争相手を持っていない。つまり日本の部品メーカーは完成車組み立てにおいても大きな役割を演じているということである。例えば2011年の大震災で日本国内の大規模な生産停止が起こり、日本の自動車部品メーカーが期日通りに納品できなくなると、日本から部品を輸入していたフォルクスワーゲンやボルボ、ゼネラル・モーターズなどの自動車メーカーは生産速度を緩めざるを得なくなった。統計によると、日本のこの天災によって、同年3月末までに世界の自動車生産量は60万台減ったとされる。
アナリストによると、大規模なリコール問題が起こったことは驚くに値しない。自動車製造のプラットフォーム化と部品の汎用化の傾向の下、自動車企業は部品の世界からの調達を始めており、特定の部品に問題が発生すると、グローバルな自動車ブランドがそろってリコールせざるを得ない状況となっている。今回のようなリコールが集団発生する可能性はこれからも高まっていくものとみられる。