▽家電から「産業サービスプロバイダ」への転換
パナソニックが最終的に黒字転換できた重要な原因は、より広い範囲で企業の生存の道を探したことだ。
パナソニックの紹介で、筆者は東京の新たなランドマーク「東京スカイツリー」に取り付けられた、最新のLED照明を目にする機会に恵まれた。スカイツリーの高さは634メートルで、東京で最も高い建物だ。毎日夜になると、スカイツリーはライトアップされ、色が刻々と変化し、東京の夜空を美しく彩る。
スカイツリーの照明には、非常に複雑な電子設備や数え切れないほどの照明器具が必要なのかと思っていたが、実際にスカイツリーの下に来てみると、照明設備はたった4組しかなく、それぞれの設備に6本の照明器具が取り付けられているだけだった。照明はスカイツリーの下から空に向けて光を放っていた。LED照明の主要メーカーであるパナソニックは、LED技術の改良を重ねて様々な有名建築物に応用、ライトの色を調整することで、夜空を日々美しく彩っている。
照明だけではない。家庭用の換気扇から、ビルの換気システム、さらに牛や羊などの家畜用の大型換気施設の建設にいたるまで、パナソニックの取り組みはその他の日本の総合電機メーカーとは一味違う印象を与える。パナソニックは今や、家庭やコミュニティにおける生活のソリューションへと事業を転換した。産業面では、自動車部品、医療、高齢者ケア事業の開拓により、パナソニックの事業全体に変化がもたらされた。
パナソニックは過去数十年にわたり、家電業界で日立や東芝と同じチームにおり、デジタル製品面ではソニーやシャープと同じチームにいた。しかし今のパナソニックは、社会向けのインフラに転換した日立や東芝、デジタル製品に固執するソニーやシャープとはいずれも異なっている。
長い産業チェーンにより、パナソニックは苦境を脱出した。2018年の創立100年に向け、同社は絶えず変化を遂げつつある。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年7月7日