同様の現象は生活のあらゆるシーンでも見られ、夫婦げんかの際、相手が「かっこいいから」、または「かわいいから」と言う理由で「許す」というケースも多い。このように、顔面偏差値は、恋愛のスタート時に大きな役割をはたすだけでなく、意思決定や容認度、意欲などにも影響する。華南師範大学心理学院の陳啓山教授は、「人の良い気分と悪い気分の処理の仕方は異なる。マイナス要素の影響は大きく、相手の顔面偏差値が低いと、相手に対する感情の亀裂が生じると、マイナスの感情が拡大する。人間の脳は理性的ではなく、世界も不公平」と分析している。
20年前、中国では高倉健のような寡黙でストイックな男性が女性に人気だった。しかし、「顔面偏差値」という概念がネット上で広がるにつれ、現在は中性的な男性が人気になっているという一面も浮かび上がる。芸能界では、若くてイケメンで、なおかつ筋肉ムキムキの俳優などが人気になり、ファンは「優美」を強調している。
この点、陳教授は、「流行の変化が特に何かを示しているわけではない。長い人類の発展の歴史においては、小さな変化にすぎない。流行はコントロールできるもの。一部の人の好みをコントロールし、それを新たな動向にするというのがその方法。『顔面偏差値』の流行も、メディアが先導しており、それほど気にする必要はない。確かに顔面偏差値も大切だが、親密な関係においては、性格など、内面的な要素のほうがより重要であるはず」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年7月21日