2015年7月23日  
 

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「創一代」VS「富二代」 家族企業継承における難題 (2)

人民網日本語版 2015年07月23日11:31

容易でない「富二代」の継承

「富二代」に父親の仕事を受け継ぐ心構えがあったとしても、一企業を継承することはそう容易なことではないようだ。

「私は台泥グループで平社員から始め、10年働いて初めて父親と同じ会議室で会議に参加することができた」。フォーラムでそう語るのは台泥グループの辜成允社長。2014年、辜社長は16億5千万ドルの富を築いてフォーブスの富豪ランキングに登場し、中国台湾地区で22位に名を連ねた。父・辜振甫氏は台湾地区で有名な実業家。「父と共に企業を育てててきた古参部下の信頼や威信を得ることが、家族企業継承時の最初の難関」と語る。

この他、後継者が企業を継承する際のもう一つのリスクは騙されやすいということ。多くの二代目は若くして社内の重要なポストにいきなりついて、高い学歴があったとしても、家族企業の中核に溶け込めなかったり、企業運営のノウハウを把握できていなかったりする。そうした情況は何らかの罠に陥る危険性を孕んでいるのだ。

スムーズに家業を伝承するためには、「創一代」側も古い意識を取り払う必要がある。中国では、家族企業の所有者、統制者、管理者といった権利が一人の身に集中していることが多いが、欧米諸国の家族企業ではこうした権限は複数の人間に分担され、権利の集中を効果的に回避し、管理権はプロフェッショナルマネージャーが担っている。

ペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授、ウォートン家族グローバルアライアンス(WGFA)創始者のラファエル・アミット(Raphaer Amit)氏は、「十数年来の調査研究から、スムーズに富を引き継いだ家族企業にはいくつか共通の特徴がある」と語る。まず、家族に共通の信仰、価値観、強い同一感があり、効果的かつ頻繁な交流を図っていること。次に、「家訓」なるものや良好な決定プロセスがあること。企業の継承問題においては、流動性や体制脱退を可能とする所有権構造が必要。そして、家族がイノベーションへの情熱を高められるよう新たな企業文化を促進すること。責任と権利を明確に分けることも重要だと指摘する。(編集IM)

「人民網日本語版」2015年7月23日


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