一部の中国人強制労働被害者 「三菱と和解」を否定
7月24日夜、第二次世界大戦中国人強制労働被害者訴訟弁護団は声明を出し、「日本のメディアは、事実と異なる報道をしている。三菱マテリアルは、史実を認め、悔いる態度を一貫して示しておらず、いわゆる『和解』には、全く誠意が込められていない」との見解を示した。
訴訟弁護団のメンバーで、河北省弁護士協会副会長の鄒強倫氏は、「今までのところ、三菱マテリアルは事実を直視することをあくまでも避け、責任の所在を曖昧にしている。彼らの態度には、心の底から謝罪する気持ちは毛頭見られない。このような状況のもとで、原告や多くの中国人強制労働被害者およびその遺族が、彼らと和解することは全く不可能だ」とコメントした。
中国の3労働者団体が不満だが「受け入れる」
三菱マテリアルと和解交渉をしている3団体の代表者が8月3日、北京市内で会合を開き、和解案について「三菱の謝罪文や和解金の金額に不満はあるが、生存者の高齢化が進み、生存しているうちに解決したいという気持ちや多くの被害者や遺族の意見をふまえ、受け入れる」との声明を発表した。>>
声明を発表したのは第2次大戦中国労働者三菱被害者聯誼聯席会、第2次大戦中国労働者長崎三島被害者聯誼会(高島、端島、崎戸)、中国日本強制連行労働者河北三菱分会の3団体。第2次世界大戦中に日本に強制連行され三菱で労働を強いられた中国人労働者とその家族が主体となっている。
ただ、三菱との「和解」という方法をめぐっては、反対の声が上がる団体もある。残る第2次大戦中国労働者対日賠償請求案弁護士団と第2次大戦中国労働者三菱被害者山東聯誼会の2団体は共同声明に今のところ合意していない。