〇勇気を出して歴史に直面した多くは、七三一部隊の下層兵士
森村誠一氏は、作品の執筆にあたり、30数人の七三一部隊元を取材したが、彼らのほとんどが、同じような様子だった。多くの人が、当時の様子を述べる時に号泣した。常に心の中は苦しみで一杯という人もいた。また、ある時点で突然、感情の抑制が効かなくなる人もいた。
証言したいと申し出た元兵士の多くが下層兵士だった。「戦後、彼らは決して幸せに暮らせなかった。彼らは私に、『あなたがこれらの秘密を大衆の前に公にすることができれば、私はこれらの秘密を死後あの世に持っていく必要はなくなる』と話した」と森村氏。森村氏や常石教授がいなければ、これらの元兵士は、本当に、七三一部隊の秘密をあの世に持っていかざるを得なかったことだろう。そして、一部の人間が引き続き、生体細菌戦を実施したことで英雄扱いされた名誉を享受していただろう。