鉄で全身を包み、兜の隙間から周囲の状況を観察し、体にかけられた重さと同じだけの安心感を感じる――。重慶の中世甲冑愛好家らはこのほど、中世ヨーロッパ史を熟読し、手作りの各種甲冑を身につけて戦い、歴史上の名戦役を再現した。
歴史書に描かれたものと同じ甲冑を身につけ、重い武器を手に戦い、まるで「戦場」にタイムスリップしたかのように、歴史の臨場感を体感する。これは重慶出身の劉誼さんの趣味だ。「これはHistorical Medieval Battle(歴史的中世戦闘 、HMB)と呼ばれ、海外ではとても人気のあるスポーツの一種」と劉さん。
「HMB」愛好家たちは「歴史を再現」することが好きだ。例えば、気に入った中世の戦いあるいは有名な決闘があれば、全員で甲冑を身に着け、当時のシーンを再現するという。戦闘を指導する専門のコーチもおり、古代の兵士たちと同じように訓練をし、陣形を整える。まるで、古代の戦場にタイムスリップしたようだ。
甲冑の製作に関しては、よりリアルさを追求するため、劉さんらはビデオを見て海外の製作の様子を学んでいる。まずは紙に構造を描き、それから一つ一つ作っていくという。製作の過程も基本的に古代の製作方法に従い、まずは材料を切削し、それからハンマーで叩くという。胸当てひとつを作るにも、何千回も叩かなければならない。フルセットの甲冑の重さは30キロ以上になる。(編集Yiqi)
「人民網日本語版」2015年9月24日