「従来型の売り場での販売にどうしても注目が集まるが、消費ルートは変化しており、主要な成長分野はアウトレットとネット購入となっている」。財富品質研究院の周婷院長によると、海外で買ってくる人が多いのも確かだ。中国では価格や税率の引き下げなどの各種措置も取られているが、この傾向が変わる気配はない。「2015年の大陸部外でのぜいたく品消費は910億ドルに達し、前年から12%伸びた。中国人消費者のぜいたく品消費は78%が海外で行われており、海外流出が深刻となっている」
▽86%のブランドがカスタムサービス進出 店舗の「戦略的閉鎖」も
LVの人気がこれまでのモノグラムのバッグからアルマの手提げに移ったように、ぜいたく品消費は「脱ロゴ化」の方向にいっせいに進んでいるように見える。だが数年もしないうちに、ぜいたく品消費は「脱ブランド化」に直面する危険もある。「持っているものがみんな似てきており、どれが誰のものかもはやわからなくなっている」。周院長によると、これと同時に起こっているのが、オーダーメイドの盛り上がりだ。「オーダーメイド業務はすでに業界全体の20%を占めている。86%のブランドが程度の違いこそあれオーダーメイドサービスを始めている」。例えばここ数日、Burberryは浙江省杭州市の「杭州大厦」で、マフラーに刺繍の文字を入れるVIP向けのサービスを開始した。カシミアのマフラーで30種以上のカラーの選択肢が用意されたのも今回が初めてだ。この変化は、消費者の要求がブランドの個性から自分の個性へと変わったことを示している。「オーダーメイドの場合、一人ひとりが違うものを手に入れるように見えるが、規模が大きくなれば重複する率も高まり、数が一定程度増えれば、オーダーメイドも大量生産ができるようになる」。周院長によると、将来はほとんどのぜいたく品ブランドが大衆向けの高級消費商品へ変身することになる。
従来型のぜいたく品は現在、活発な調整期に入っている。LVが最近、広東省広州市の店舗を閉鎖したのも、偶然ではない。ぜいたく品ブランドは2014年から店舗の戦略的な閉鎖を進めており、2016年には95%のぜいたく品ブランドが同様の策を取るようになると見られる。データによると、Pradaは中国ですでに16店舗、Zegnaは6店舗、Ferragamoは6店舗、Burberryは3店舗を閉鎖している。将来は既存店舗の改造が一層進み、大型の体験・サービスセンターが現在の店舗を代替することになる見込みだ。