北京大学の古籍閲覧室で、中国最大の漢籍叢書・四庫全書を読む学生。
大学の図書館「本は増えても、読む人は減少」
今年になり、「中国青年報」は、大学の図書館にスポットを当てた。大学の図書館の現状について、同紙は、「用事がなければ図書館には行かないし、行くとすれば自習や宿題をするためというのが、多くの大学生の現状」と指摘している。
中国西南地域のある大学の図書館の副館長も同感しているようで、「当校の書籍は近年、豊富になっている。しかし、図書館に来て本を借り、読書する人の数は減っている。多くの学生は、図書館を単に『自習室』にしている」と語る。
最近、華中師範大学(湖北省武漢市)が発表した15年度の読書報告によると、同校の学生一人当たりが借りた本の数は7.5冊と、中国の国民一人当たりの平均数を上回っていた。しかし、各学部の学生10数パーセントが1年間に本を一冊も借りておらず、その総数は約4000人に上る。
「大ヒット」した本は「塗り絵」
近年、上記のような状態が続いているため、「大ヒット」と呼べる本が非常に少なくなっている。また、15年には、「秘密の花園」が「大ヒット」したものの、その内容はというと、文字数わずか264文字と白黒塗り絵イラスト96枚だけだった。
中には「文化的に学べるものがない」という理由で「秘密の花園」の販売を中止する書店も登場したものの、同書の大ヒットを止める要素とはならなかった。「秘密の花園」はアマゾン(中国)の週間売れ筋ランキングで、12週間連続でトップ10に入った。また、8週間はトップだった。中国のオンライン書店・当当網のデータによると、「秘密の花園」は発売されてから60日で、販売数が100万冊を突破し、15年度の年間販売数も150万冊に達した。