歌舞伎役者の幸田秀莉さん(52歳)がずっと映像の中だけで観賞してきた京劇を実際に観る機会がついにやってきた。北海道から東京までやってきた彼女は、京劇に注目すること13年間、鑑賞したディスクは20枚以上。彼女の芸術人生ににおいてずっと見守ってきた幸せが京劇なのだ。中国新聞網が伝えた。
「文化中国・四海同春」芸術団はこのほど2016年の東京銀座公演を行い、幸田さんは唯一和服を着て劇場を訪れた一般客だった。彼女の座席は一番後ろの列で、京劇はショーの中でたった1演目だけ、また学校などで中国語を習ったこともない彼女だったが、それでも記者に自分の思いを「京劇太美(京劇は大変美しい)」と4文字の中国語で語ってくれた。
歌舞伎は日本を代表する伝統芸能で400年以上の歴史をもち、京劇と歌舞伎は「東洋の伝統芸能の姉妹」と称されている。日本の歌舞伎が常に改革を進めていく過程で、中国の京劇はずっとそのお手本となり、多くの事を学んでいる。そのため、中国人が歌舞伎を初めて鑑賞した場合でもどこか懐かしい感じを受けるという。
「以前から日本の歌舞伎役者は毎年中国の京劇を日本に招待して交流しているが、そのほとんどが大都市で、私のような無名の役者は鑑賞するのもむずかしかった」と語る今年芸歴40年を迎えた幸田さんは去年、北海道の小都市である室蘭市から東京へと移ってきたばかりで、現在は日本の歌舞伎座で代役俳優をしている。