第2次世界大戦と中国侵略戦争の期間、広島は日本で最も主要な兵器工場・兵営駐屯地であった。このうち、悪名高い広島第5師団は、日清戦争と8カ国連合軍による中国侵略に続いて、「盧溝橋事件」勃発後再び中国侵略の主力部隊となり、中国で数々の罪を犯した。
日本による侵略戦争で最も重要な兵力・兵器弾薬供給源のひとつであった広島が第2次大戦末期に原爆投下の標的となったことは、単なる偶然ではない。第2次大戦の関連史料によると、長崎とは異なり、米国が広島を原爆投下作戦の第一目標に据えた背景には、日本が起こした侵略戦争における広島の役割と地位が密接に関係しているという事実があった。