日本の理化学研究所は2004年に新元素を発見していたが、このほどついに国際的に認められ、113番元素の命名権を獲得した。これはアジアの科学者が初めて発見した新元素だ。人民網が伝えた。
人類は新たな化学元素を求め、紆余曲折を経ている。元素周期表のうち、自然界で発見された元素は92番元素のウランまでで、93番以降は人工的に合成されている。元素周期表に新たなメンバーを追加しようとするならば、長期間待つ必要があり、かつ遅れるほどチャンスが少なくなる。
国際的な慣例によると、命名権は発見者に与えられる。113番元素の発見者については、日本とロシアの間で論争が起こったが、今回の最終判断により、日本の科学者が正式に命名権を手にした。新元素の名称は一般的に、国名・地名・人名などに「ium(もしくはum)」をつけた形になる。113番元素の名称の最有力候補は、「ジャポニウム」だ。
中国科学院高エネルギー物理研究所研究員の趙宇亮氏は、新元素の応用の価値について、「新たに発見された新元素の場合、科学者は1年をかけてもいくつかの原子しか合成できず、応用について論じるのは時期尚早だ。しかし完全に人工的に合成されるプルトニウムは、原爆の原材料であることが分かっている。それに我々が現在よく用いている煙霧警報機の中には、人工的な放射性元素が含まれている。元素の合成については、現時点では何の役に立つかは不明であっても、将来的には多くの用途を手にするかもしれない」と指摘した。
これはアジアの科学者が初めて発見した新元素だが、中国人科学者には独自に新元素を発見する能力があるのだろうか?中国科学院院士の張煥喬氏は、メディアの取材に応じた際に、「中国人科学者は長年の取り組みにより、ドブニウム259、ベリリウム265、ダームスタチウム271などの元素を合成している。これらの研究を通じて経験を蓄積することができるが、新元素を合成するのは、現在の中国ではやや困難だ」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月6日