16日、北京国際映画祭が雁栖湖の湖畔で開幕。映画ファンたちは、レッドカーペットに登場した米女優で映画監督のナタリー・ポートマンや韓国のイケメン俳優イ・ミンホ、中国の人気俳優鐘漢良(ウォレス・チョン)、さらに、映画館で続々と上映される名作に注目しているだろう。しかし、その華やかな映画祭の背後で、多くのスタッフが昨年の10月から忙しく準備を進めていたことはあまり知られていない。北京日報が報じた。
香港映画の上映は海外映画より難しいことも
中国映画資料館の映画選出グループのグループ長である張嵐氏は、スタッフ2人と共に、映画300作品の選出を行った。ベルリン映画祭の受賞作品から、過去の名作のリメイク作品まで、米国や日本、韓国の作品から、香港、マカオ、中国の作品まで、一つ一つ確認作業を進めた。
同映画祭では、亡くなって今年で30年を迎える、「映像の詩人」と呼ばれたソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーの作品を上映する部門も設置された。しかし、同監督の作品のような、数十年も前の名作は、著作権をめぐる問題が複雑で、張氏によると、ロシアの映画資料館と連絡を取ったものの、同資料館にはフィルムはあっても、著作権がないことが判明。同資料館を通して、著作権の所有者を探るしかなかったという。そして、「フィルムはロシアにあっても、製作者がイタリア、スウェーデンという作品もあり、著作権を誰が持っているのかを見定めるのは想像しているより難しかった」という。
外国の作品を上映するのも難しいが、それより難しい香港の作品もあるという。プロジェクト「銀河映像二十年」において、中国映画資料館收集・整理部の部長で、北京国際映画祭組織員会弁公室展映部の林思瑋・部長は早くから、香港の杜琪峰(ジョニー・トー)監督の名作「ザ・ミッション 非情の掟(原題:鎗火槍火)」に目を付けた。「製作会社・銀河映像にすぐに連絡した。ところが、この作品の著作権は、同社になかった。しかも、複数の会社に売却していた」と林部長。「このようなケースでは、各社の同意を得ないと、上映できない。残念なことに、著作権を保有している3、4社にたずねたが、どの会社からも『自分たちだけでは判断できない』という返事が返ってきたため、結局あきらめるしかなかった」という。