野を越え山越え、砂埃をあげながら一路疾走する。中国初の長距離自動運転テストを実施する2台の自動運転車が16日午後、5日間の走行を経て北京入りに成功した。新華社が伝えた。
◆自動運転を初体験
2台のシルバーの自動運転車が12日午前11時頃に重慶の市街地を出発し、中国初の長距離自動運転テストを開始した。
発車後、運転席に座るテストドライバーの李増文氏は、ディスプレイの「自動運転」をタップし、ハンドルの両側に触れた。車は自動運転モードになり、時速110キロまで加速した。李氏はハンドルから手を、アクセルとブレーキから足を離すと、シートを後ろ側に倒した。ハンドルは自ら方向を調節し、車は安定的に前進した。
前方の車が急に減速したり、障害物が現れた場合、自動運転車は問題ないのだろうか?記者が心配していると、前方の車が急に減速した。「ブレーキ」と記者が言い終える前に、車は自動的にブレーキを掛け減速した。
李氏は、「心配ない、車線変更と追い越しも問題ない」と言いながら、方向指示器を操作した。車はスムーズに車線変更し、加速し前方の車を追い越した。
◆秦巴山地のトンネルという試練
車は13日午前に運転を再開し、そびえ立つ秦嶺山脈を突破し、「千年の古都」西安に向かおうとしていた。ところが自動運転車と「千年の古都」の間には、多くの急カーブと連続するトンネルが横たわっていた。
長安汽車工学研究総院チーフエンジニアの黎予生氏は、「車は間もなく、最も厳しい試練を迎える。トンネル内は往々にして薄暗く、車線が汚れていたり摩耗していることがあるので、車の目である感知システムの試練となる。急カーブは脳の中央制御システム、執行システムにとっても大きな試練となる」と述べた。
車は午後2時頃、長さ18キロ(全国最長)の秦嶺終南山大トンネルに入った。長いトンネル内で、各種照明が交錯するように反射した。しかし車は複雑な交通状況を識別し、安定的に走行した。
午後4時頃、車は西安市に入った。