同じメディア業界の環球網の石丁副編集長が別のデータを引用して、日本企業の強さを証明してくれた。トムソン・ロイターがまとめた「Top100グローバル・イノベーター2015」では日本企業40社がランクインし、35社の米国を上回っている。マイナス面と見られがちな高齢化さえ、次世代の成長源となっている。全世界で6万種以上ある高齢者用商品のうち、中国市場では2千種類あまりが取り扱われているに過ぎないが、日本では4万種類余りにも上っている。
データの上では、GDPの240%にのぼる政府債務を抱える日本政府はとっくに破産していてもおかしくない。しかし、これらの国債のほとんどが日本企業や日本国民の貯蓄に組み込まれており、日本国民が国の債務負担を支えているのだ。国民が国を信頼する限り、問題とはならない。
このデータを見た瞬間、日本の高速道路で見かけたある光景を思い出した。ジャンクションを通るたびに、全ての車が整然と並んで順番待ちし、時には300~400メートルほど車が並ぶことがあっても、無理やり前へ横入りしようする車は1台も無く、中央と右側の車道は常に通行可能な状態となっていた。欧米諸国への訪問経験も多いが、これほど秩序ある光景を見たことが無い。秩序が民族にとって集団行動の原則となっている場合、その民族はきっと尋常でない結束力を見せるだろう。高速道路での光景は経済とは無関係だが、日本経済を分析する際に考慮する一つの要因となると思う。
経済に関しては、28年間日本で暮らしている林さんが特徴的な4点を挙げてくれた。それは物価が十数年間ほぼ安定していること、貧富の差がそれほど大きくないこと、不動産の値上がり幅が非常に小さいこと、収入は長年ほぼ増加しておらず、消費も低迷し不振が続いているが、失業率もとても低いことだ。
以前、ある米国の記者が各国都市の街角を歩く歩行者の速度を測定したことがあり、その結果日本人が一番速かった。ここから日本人は仕事のテンポが速く、勤勉で、大変だということが推測できる。一方で、東京の一角で私は静かで落ち着いた生活を目にした。大阪の同業者数名と話したところ、日本人の生活、特に若者の生活は我々が想像しているようなストレスに満ちたものではないという。