初の「中国宇宙の日」を祝う際、ほとんどの人はきっと有人宇宙船「神舟」のような、自分たちの生活からかけ離れた応用例を思い浮かべていることだろう。しかし実際は、宇宙技術は一般の人々の衣食住にまで進出している。おむつや乾燥野菜、ナビゲーション・システムなどはいずれも宇宙技術と密接な関係にある。新華社が伝えた。
◆宇宙おむつ
乳児をもつ保護者が感謝してもしきれないおむつ、それから成人もある特殊な状況で使用することになる大人用おむつは、宇宙技術によって生まれた賜物だ。人類初の宇宙飛行士ガガーリンは宇宙滞在中、任務執行中に尿意を催し辛い目に遭ったという。その後も多くの宇宙飛行士が同様の悩みに直面したため、科学者が吸水性の高い紙おむつを発明し、宇宙飛行士たちはこの人には言えない悩みを解消した。この技術が民間に転用され、誰もが知っている紙おむつが誕生した。
◆乾燥野菜
即席麺もまた人々に広く知られている食品だが、そのかやくも宇宙技術によって生まれた。野菜の保存と輸送は困難であり、畑から野菜市場に運ぶ間に傷んでしまうことも多い。では宇宙飛行士が野菜を食べるにはどうしたらいいか? NASAは宇宙飛行士が宇宙空間滞在中も、野菜からビタミンなどの栄養素を摂取できるようにするため、乾燥野菜技術を開発した。
◆太陽電池
昨今では屋根に太陽電池が取り付けられている建築物も多い。その電力はその建築物内で使用できるほか、余った分は買い取ってもらうことができる。太陽電池技術の発展にも宇宙技術が大いに貢献している。宇宙空間における衛星や宇宙船、宇宙ステーションは持続的なエネルギー補給を必要としており、太陽光技術は理想的な選択肢だ。宇宙ステーションは現在、長さ70メートル以上の太陽電池を取り付けている。これらの設備は安定的で効果的な太陽電池技術を採用しており、地球上においても太陽光の応用を促している。
◆ナビゲーション衛星
多くの人は車で移動する際にカーナビを必要とする。各国が打ち上げた多くのナビゲーション衛星は、方向音痴の福音となっている。なかでも中国の北斗衛星測位システムはすでに頭角を現しており、現在まで22基の北斗衛星の打ち上げに成功している。2012年にはアジア太平洋の大半の地域でナビゲーションを提供する能力を形成しており、2020年頃には全世界を網羅する見通しだ。「北斗」シリーズの製品は、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイス、カーナビなどの一般応用分野において大規模な応用が始まっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月26日