電子製品を片時も手から離すことができない現代人。だが、専門家は、「電子製品に頼りすぎると、記憶力の低下を招く恐れがある」と指摘する。韓国では、このような症状を「デジタル認知症」と名付けている。読者はこの病に冒されていないだろうか?この問題をめぐり、記者が取材した。東南網が報じた。
●現状:スマホに対する依存度が最も高い「うつむき族」
「字を書くたびに、どんな字だったか忘れている。今さっき話したばかりのことを、振り向いただけでもう忘れている」――。これは30歳になる李氏が最近よく感じることだ。李氏も例に漏れず「うつむき族(スマホやタブレットなどの携帯端末を長時間見続け、頭を下げたままの人)」の一人だが、自分の記憶力が低下した原因は、生活上のストレスが大きすぎることにあると思っていた。彼にとって、「デジタル認知症」は、いささか大げさすぎる言葉だった。
「うつむき族」に関するアンケート調査は、ネット上で数多く行われている。その中の一つの結果によると、「自分はうつむき族」と自認している人は56%、最も頻繁に使用するデジタル製品について「スマホ」と答えた人は92.3%に上った。デジタル製品を最も頻繁に利用するのは、交通機関を利用する際で、その主要目的は「娯楽・レジャー」だった。日常生活に対する悪影響については、「身体に不調をきたす」が58.9%、「軽い強迫感や依存心を感じる」は69%、「表現力や言語力が落ちたと思う」は41%、「人間関係が悪化したと感じる」は53%だった。
●専門家:「電子製品の使用には、時間制限を設けるべき」
「デジタル認知症」とは、どのような症状のことをいうのだろうか?どんな人が罹りやすいのだろうか?「デジタル認知症」にならないための予防策はあるのだろうか?
福建医科大学付属病院神経内科副科長の陳竜飛・医師は、次の通り語った。
デジタル製品を長時間使用することで認知症を招く可能性は、今のところ臨床上で確認されていない。だが、長時間デジタル製品を使用すると、社交能力の低下などの現象がたびたび見受けられる。
デジタル製品を使用するとき、手と眼との連携脳力は高まるかもしれないが、長時間の使用により、記憶力・言語力・思考力などはだんだんと低下する。デジタル製品を使用するとき、脳内にドーパミンが分泌される。この物質は、脳を興奮させ、快感が得られる。長期にわたり長時間デジタル製品を使い続けると、脳内にかなり多くのドーパミンが蓄積される。だが、ドーパミンの分泌量が突然減少すると、人体がその変化に適応できず、いらいらや焦燥感が生じる原因となる。
子供は、まだ自分を上手にコントロールできないため、6歳以下の子どもは、出来るだけデジタル製品から遠ざけること。6歳から14歳の子供の使用については、使用時間を厳しく制限すべきだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月10日