宗さんは記者に対して「玉兎号は使命を終えた。微博で活躍していた兎も、幕を閉じた。このアカウントは二度と更新せず、眠り続けさせる」と述べた。
宗さんは当初、人々に月面ローバーそのものと、宇宙探査に注目してもらいたいという非常にシンプルな考えで始めたのだという。多くのメディアの月探査機「嫦娥3号」に関する記事は、見出しからして近づきがたく、わざわざ読もうとする人が少ないかもしれない。「私たちは皆さんに積極的に見てもらうことで、科学知識を伝え、宇宙探査全体に対する好奇心を呼び覚まそうとした」と語る宗さん。
玉兎号のアカウントの投稿を支えたのは、宗さんだけではない。新華社が玉兎号の権威ある情報源になり、果殻網の科学ニュース編集者、科学技術記事執筆者、専門家から専門的なサポートを受けた。これらの人々のコンビネーションが、玉兎号のすべての投稿の正確性と専門性を保証した。
微博で玉兎号が全国民から注目されたのは、月上陸3ヶ月目に制動に問題が生じた時だ。宗さんは玉兎号が急に故障するとは想定していなかったため、セリフも事前に決めていたわけではなかったという。「あれ、ぼく壊れちゃった」これは玉兎号が故障してから初の投稿内容だ。宗さんは、玉兎号の故障がネットユーザーから注目されると思ったが、悲しすぎる情報を伝えたくなかった。宗さんは「宇宙探査はこのように、美しくもあり危険でもある」と話す。
宗さんは「玉兎号を擬人化した投稿でぶりっ子ぶろうとしたことはない。時にはわざと語気助詞を減らし、科学的・理性的な態度を維持した。それと一つの原則があった。それは月面ローバーに関する投稿は、公式メディアの後にということだった」と明かした。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年9月14日
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