1904年の雑誌「繍像小説」に、35回に渡って連載された「月球殖民地小説」は、本当の意味での中国最初のSF小説と呼ばれた。また、民国時代の作家・顧均正は1939年に中国SF史上初のSF小説集である「在北極底下」を刊行した。新華社が報じた。
最近、劉慈欣の「三体」など中国のSF小説が2年連続でヒューゴー賞を受賞したことは、中国のSF界が国際舞台で台頭していることを示す典型的な例と見られている。「晩清スタイル」や「民国スタイル」に始まり、今や中国のSFは新たな段階に入って、「国際スタイル」になっているとの声も上がっている。
「国際スタイル」の中国のSF小説
中国のSF小説「乗客と創造者」を英語に翻訳した米国ノースカロライナ州立大学の中国現代文学のイサクソン助教は取材に対して、「ここ3-5年、中国のSF小説は本当の意味で一つの流派になっている」とし、「数年前なら、上位に入っていたSF小説大国は、英国や米国、日本、ロシア、フランスなどだった。しかし、現在では中国をその中に入れなければならなくなっている。中国のSF小説は世界で名を残すようになっている」との見方を示した。
北星学園大学文学部の准教授で、SF作家、SF研究者の立原透耶氏は、「先人の努力や外国作品から受けた刺激、作家と読者が国際的な視野を持つようになったなどの要素が重なり、中国のSFの繁栄につながっている。中国のSF作品を読んで、自分や周りの社会、世界、地球全体の問題を改めて考えるようになった。小説は描写にすぎないが、SFは本当にいい表現方法だと再認識した」と語っている。
イサクソン助教も「出版社や定期刊行物が発刊するSF小説が多いほど、各流派も繁栄する。ネット小説も新たな最前線となっており、中国の読書が新しい作品を見つけ、夢中になる方法の一つとなっている」と語っている。
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