さらに、李センター長は、「所得をめぐる中産階級の懸念は、税金が高くなり、個人の可処分所得の成長が落ち込んでしまうことや、高騰を続ける不動産、教育、医療、老後の生活などの費用に対する懸念が原因となっている。さらに、『中間所得の罠』が原因で、国が社会や政治の安定剤を失い、成熟し安定した社会や政治の発展段階になかなか足を踏み入れられないという結果を引き起こしかねない」と警鐘を鳴らす。
もし、李センター長が懸念するような「中間所得の罠」が現実になれば、中国にとっては今後大きな足かせとなってしまうだろう。
しかし、中国労働学会の蘇海南・副会長は「『中間所得の罠』に落ちてしまうかは、収入の分配制度改革やそれに深く関連した改革の進展次第。改革の程度や決意が不十分で、対策がきっちり実施されなければ、『中間所得の罠』が現実になる可能性がある。現在、最も重要な問題となっているは、中産階級の割合が明らかに小さいこと。まず、収入の分配構造が不合理である現状を変え、中産階級の割合を拡大するよう努めなければならない。『中間所得の罠』について考えるのはそれから」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年11月15日
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