次に、中国で工場を建設すれば輸送費用が大いに節約できる。輸送コストを軽視してはならない。14年にテスラが中国市場に進出した際の価格では、「Model S」1台あたりの輸送・積卸コストは3600ドルだった。
さらに、上海には世界で最も充実した自動車供給チェーンシステムが備わる。上海の周辺にはボッシュ、ZFフリードリヒスハーフェン、デルファイ・コーポレーション、コンチネンタルといった世界トップクラスの部品サプライヤーがあり、自動車産業の配置がかなり整っている。自動車工業の基盤がない米シリコンバレーに比べ、上海には力強いサプライチェーンの支援がある。サプライチェーンのコストをかなり節約できるとみられる。
最後に、中国で工場を建設すれば人件費をかなり節約できる。製造現場で完成車を組み立てる自動車組立作業者の場合、上海では時給が35元なのに対し、米国は平均100元になる。
もちろん、より魅力的な好材料もある。テスラは中国で独自資本により工場を建設するが、中国からの資本が投資に参加できないわけではない。騰訊(テンセント)が昨年、18億ドルでテスラの株式の5%を取得したほか、テスラの資本を評価する中国企業は騰訊のほかにもたくさんある。テスラへの投資でまだリターンは得られていないが、資金調達が必要なテスラにとっても海外資本の参加は好材料だといえる。
テスラにとっては、中国で独資による新エネルギー車工場を建設すれば、関税問題を回避できるだけでなく、市場のメリットを享受でき、生産量を引き上げることにもつながる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年7月12日
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