就職難時代の大卒生、「親の七光り」現象に強烈な不満 (2)
■「親の七光り」を頼る就職に不満の声
ほとんどの大学卒業生は、何かしらの就職口を見つけることができる。だが、その半数は、「給料が低い」「待遇が良くない」「自分の専門を活かせない」「将来性がない」など、自分の就職状況に不満を持っている。これにより、多くの卒業生が簡単に転職を繰り返すという現象が頻発する。卒業後半年以内に転職した学生の割合は、学部卒業生で27%、短大卒業生では48%に達した。卒業後3年以内の転職となると、学部卒業生は61%、短大卒業生は79%。転職の98%は、自分から退職を申し出たことによるもので、雇用側が解雇したのではない。
一方、より顕著な「不満」も卒業生の間に渦巻いている。
2008年の金融危機以来、大卒生が仕事を選ぶ傾向に、明らかな変化が生じた。彼らにとって最も理想的な就職先は、それまでの給料が高い外資系企業から、福利厚生が充実し安定した党体制内部門(党・政府機関、国家機関、国有企業)に変わってきた。党体制内部門で働くためには、熾烈な競争を強いられる。しかし、外資系企業の職を得る競争と異なり、党体制内部門への就職には、裏工作、職権私用、賄賂工作、コネ利用など不正なルートが数多く存在しているのが現状だ。
卒業生に言わせると、党体制部門で職を得るためには、「親の七光り」が必要不可欠という。これらの不正行為が実際にどれほど深刻なのかは明らかではないが、卒業生や親の立場からすると、このような風潮は日常茶飯に見られ、ほぼ全ての卒業生は、自分自身、クラスメート、友人、知り合い、親戚の具体的事例を見聞きした経験があるようだ。親が「コネを持っている」「影響力がある」だけで、子供は公務員や国有企業の職員になることができる。この事実は、ほとんど全ての卒業生が認めている。
親がコネや影響力を持っていないためにこうした職種をあきらめている学生や、公務員や国有企業職員の採用試験を受けたが合格しなかった学生は次々と、就業競争の裏にある「秘め事」に不平の声を上げ、採用された学生の親の状況について、あれこれ憶測をめぐらせる。このような状況から、多くの卒業生は強い不公平感を感じると同時に、政府部門や国有企業の職員採用をめぐる公平性について、疑念を持つに至った。
今回の調査研究の担当者は、「金融危機がもたらした生活費の高騰と不安定な就業状況は、この2年でますます激しさを増している。このような状況から、多くの卒業生は、自分の夢が実現するまでには、さらに多くの時間がかかると感じるようになった。中には、夢は夢のままで終わり、実現する日は来ないのではないかと悲観的な考えに陥る学生もいる」とため息交じりに話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月21日