中国の「微博(ウェイボー)」上で現在、英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に掲載されたある研究結果が話題になっている。これは、「音痴は一種の病気で、音痴の人のほとんどが方向音痴で、空間処理能力が低い」というもの。研究員によると、「音痴は、わずかな音程の差を見分けることができない。そのため、相手が語気によって伝える怒りや恐怖、皮肉などを聞き分けることができないため、コミュニケーションにも問題がある可能性がある」と指摘している。しかし、歌を歌っている時に音を外す可能性は誰にでもあり、音痴を「病気」と呼んでいいのだろうか?これに対する専門家の答えはなんと、「生まれつき音痴の人は、確かに人の気持ちを察するのが不得意の可能性がある」だ。武漢晩報が報じた。
空気読めない音痴
湖北省武漢市に住む張さんは退職後、老人大学で歌を習っている。しかし、教師によると、張さんはひどい音痴で、常に音が外れ、何度練習しても治らないのだという。それに加えて、一緒に歌を学んでいる人たちは張さんと話をするのが好きではないという。その理由は、張さんが自分の事ばかり話し、相手の顔色を見るということを知らないからだ。相手がつまらなさそうにしていても、一人で話し続け、人の会話に首を突っ込み、話の内容もまとまりのないものばかりという。
矯正難しい感受性音痴
では音痴にはどんな原因があるのだろう?声楽の教師である湯京飛さんは、▽感受性による音痴▽運動性による音痴---の2種類を挙げる。前者の場合、本人が音程がずれていると判断できていないため、矯正は難しい。一方、後者のほとんどは声楽の訓練を受けたことがないことが原因で、訓練を行えば比較的容易に矯正できる。
湯さんは、「歌を歌うときはしっかりと耳で正しい音程、音階を聞き取らなければならない。音感の悪い人は、往往にしてほかの人の語調や語気を聞きとることができず、相手のメッセージを誤って受け取ってしまうことが多い。この点において、英国の同研究結果には一定の科学的根拠がある。生まれつき音痴の人は確かに人間関係を築くのが難しいだろう。声楽界には早くから同様の見方が存在していた」と指摘している。
同市のセンター病院耳鼻喉科の袁琨・主任は、「可聴域がせまかったり、生体の運動機能に問題があったりすると音痴になりやすい。これは、生理的欠陥。前者は訓練によって改善することが難しいが、後者は正確な発声方法を学んで矯正することができる。聴力や前庭のバランス機能はいずれも内耳の主要な機能。しかし、両者の間に必然的な関係はなく、音痴と方向感覚との間にもあまり関係がない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月3日