ダイエットに成功すると、質の高い睡眠を得ることができる。国際内分泌学会・シカゴ内分泌学会合同会議で発表された新たな研究報告によると、超過体重を標準体重以下に落とすダイエットは、健康に有益であるだけではなく、睡眠の質を改善し、注意力を高める効果も得られるという。今回の研究で、成人の肥満者が5%以上体重を落とした場合、睡眠の質がかなり高まることが明らかになった。英デイリーメール紙が6月25日付で伝えた。
米ペンシルバニア大学のNasreen Alfaris博士率いる研究チームは、男女の肥満者390人に対して2年間にわたる研究を行った。被験者は、無作為にA、B、C3つのグループに分けられ、ダイエット計画に臨んだ。Aグループは、印刷された教材を受け取り、年4回インタビューを受けた。Bグループは、日常生活に関する簡単なコンサルティングを受けた。Cグループは、日常生活に関するコンサルティングを受けたほか、ダイエットを実行した。研究スタート後、6カ月から24カ月にわたり、被験者の体重の変化、睡眠時間、睡眠の質などの状況が調査された。
研究チームは、「体重の減少が5%以上」だった人と「5%未満」だった人の比較を行い、年齢や性差も考慮に入れた。研究結果によると、ライフスタイルに関するコンサルティングを受けたBグループとCグループの平均体重減少率は、Aグループを上回った。最も重要なポイントは、被験者がどのようなダイエット方法をとったかに関わらず、体重減少後、睡眠の質と情緒安定性が飛躍的に高まったことだった。3つのグループのうち、「体重の減少が5%以上」だった人の睡眠時間は平均21.6分間増えたが、「体重の減少が5%未満」だった人は、1.2分間増えたにとどまった。ダイエットの効果が高かった人ほど、ダイエット前より睡眠の質が高まり、心理的に安定したことが判明した。
Alfaris博士は、「今回の研究から、肥満の解消によって睡眠時間が増えることが証明された。また、不眠症の治療研究に新たな道筋が切り拓かれた。特に、肥満気味かつ不眠に悩む人にとっては、この研究が不眠の原因を突き止める重要な手がかりとなるだろう」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年7月9日