別の大きな問題として、後継者がいないことがある。技術が途切れてしまうことを、多くの匠が懸念している。宮崎監督も例外ではなく、今のところ後継者が見付かっていない。この点、産経新聞は、「経営危機に加えて後継者がいないため、スタジオジブリが今後、日本のアニメ界を背負って立つのは難しいだろう」と指摘している。
「匠の花」は、野原で生命力の強い雑草に埋もれてしまう花のようだ。リズムの早い生活の中で、多くの人が「ファーストフード式」の文化を選択するようになっており、アートをじっくり楽しむというのは「贅沢な事」となっている。また、「冷淡」は「匠文化」の最大の敵。文化学者の多田道太氏は、「大衆消費が日本に根付き、多くの日本人が高品質の物に目を向けなくなった。十分な市場がなく、匠は『冷淡』に押しつぶされそうになっている」と警笛を鳴らす。
「クオリティの高い商品なら絶対に売れる」という観念は既に過去のものとなってしまった。「匠の花」は、どのように時代に適応していくかを考えなければならない。人気のない谷間にひっそりと咲く高貴な花は得がたいものの、山一面に咲く野の花のように簡単に摘み取ることなどできないのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年9月15日