アップルは北京時間9月10日午前1時に米国で発表会を開き、iPhone 6とApple Watchを発表した。世界で最初に発売される国・地域は、米国、フランス、香港、カナダ、ドイツ、シンガポール、英国、オーストラリア、日本で、中国大陸は含まれなかった。証券日報が伝えた。
北京郵電大学教授の曾剣秋氏は取材に応じた際に、「中国大陸が含まれなかったことは珍しくもない。おそらくはアップルのハングリー・マーケティングの手段だろう」と語った。
◆アップルの商法
アップルは7月23日、4-6月期決算を発表した。アップルの4-6月期の売上は374億3200万ドルで、前年同期の353億2300万ドルから6%増となった。純利益は77億4800万ドルで、前年同期の69億ドルから12%増となった。アップルの大中華区の売上は59億3500万ドルで、前四半期の92億8900万ドルから36%減、前年同期の46億4100万ドルから28%増となった。
アップルの世界各地の売上を見ると、大中華区はアメリカ大陸と欧州に続き3位につけている。しかし大中華区の売上の減少率(前四半期比)は、最大の36%に達した。
iPhone 5sは中国大陸でも同時発売されたが、今回の発売見送りは中国での販売に影響を及ぼすだろうか?曾氏は記者に対して、「アップルが最も得意としているのはハングリー・マーケティングだ。消費者をじらし、iPhone 6の購買意欲を強めるのが目的だ。発売見送りは、iPhone 6とiPhone 6 Plusの中国での販売に影響を及ぼさない」と指摘した。
中国3大通信事業者は、iPhone 6のオンライン予約を開始している。9月10日現在、北京移動の予約者数は約7万2000人、北京聯通は約1万5000人、北京電信は約1万8000人となっている。
◆代理購入販売が人気
香港の製品を取り扱う業者にとって、今回の発売見送りは「サプライズ」であった。ネット通販サイト最大手のタオバオを閲覧すると、iPhone 6の予約を受け付けているショップが活況を呈している。手付金は、3888元から5000元(約6万8千円-8万7500円)とまちまちだ。ある店主は記者の問い合せに対して、「手付金は最低価格で、真っ先に本物を手に入れられた場合、実際の価格はさらに高額になる」と述べた。
この店主は、販売価格が吊り上げられる可能性について、「価格の高騰は、人気の殺到と投機的売買によるもの。中国大陸の消費者は強い購入意欲を持ち、価格も自ずと高くなる。購入者が高過ぎると感じる場合は、全額返金に応じる。現状を見ると8000元(約14万円)超えは確実だが、1万元(約17万5千円)を超える可能性は低い」と話した。
同店に手付金を支払った消費者は、2日だけで1200人に達した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年9月12日