東南大学は丁肇中(サミュエル・ティン)教授から許可を受け、21日に中国国内でAMS(アルファ磁気分光器)実験の最新の研究結果を発表した。暗黒物質(ダークマター)の存在を証明する実験において、6つの特徴のうち5つが確認された。東南大学は今回の暗黒物質の存在に関する実験において、ビッグデータ処理・分析技術を活用した。中国新聞網が伝えた。
北京時間9月18日、AMSプロジェクト重大成果発表会が、スイスのジュネーブで開かれた。丁教授が率いる実験室は、AMSプロジェクトの最新の研究成果を発表した。この研究成果は、暗黒物質の存在に関する実験における6つの関連する特徴のうち、すでに5つが確認されたことを証明し、宇宙線に過度に存在する陽電子が暗黒物質のものであることを解明した。AMS実験が19年前に開始されてから、研究成果が正式に公開されるのはこれが2回目だ。
ビッグバンは今から150億年前に発生した。科学者はビッグバンが、3種の物質を生んだと判断している。1つ目は人間が肉眼で観察できる陽物質、2つ目は反物質で、3つ目は目にできない、触れることもできない暗黒物質だ。
科学者は、宇宙の90%は肉眼で観察できない暗黒物質によって形成されているとしているが、暗黒物質はまだ人類に確認されていない。中国系アメリカ人の物理学者、ノーベル賞受賞者の丁教授が担当するAMS実験は、暗黒物質の衝突後に発生した陽電子を使い暗黒物質を見つけ出そうとしている。世界15カ国の56の研究機関が、AMS実験に参加している。
東南大学は2002年に正式にAMS実験に加わり、中国初のAMSプロジェクト参加大学となった。東南大学の同プロジェクトの担当者、東南大学コンピュータ科学・工学院院長の羅軍舟教授は、「東南大学がAMS-SOC処理・分析を行ったデータは556TB以上に達し、85万CPU時間を費やした。これはAMS-02の世界6地域(中国、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、台湾)のデータ処理センターのうち、最大・最長となっている」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年9月23日