「過去最大規模の日中経済協会訪中団」。共同通信の20日付報道によると、日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車名誉会長)の200人余りが22~27日まで中国を訪問する。訪中団は中国政府高官と経済協力の強化について話し合うほか、習近平国家主席、李克強総理との会談も望んでいる。「中日首脳会談の実現に向けた地ならし」が訪中団の最大の目的だ。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、日中経済協会は昨年11月にも訪中団を派遣したが、中国の最高指導者と会うことはできなかった。環球時報が伝えた。
日本経済新聞によると、訪中団は張富士夫会長を団長に、榊原定征経団連会長、今井敬新日鐵住金名誉会長ら日本の大企業トップで構成。日中経済協会は1975年以来毎年欠かさず訪中団を派遣してきた。今年は40回目で、参加者も過去最多の200人余りとなる。報道によると、日中関係は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題などで悪化。安倍晋三首相は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)北京首脳会議での日中首脳会談実現を希望しているが、見通しは不透明だ。経団連会長として初めて訪中する榊原氏は今月10日「日中首脳会談に向けた環境づくりに貢献したい」と述べた。張氏も今回の訪中で、日中関係の早期改善への強い期待を中国側に表明するとした。
読売新聞によると、日中経済協会は昨年11月の訪中団派遣時には中国の最高指導者と会えなかったが、6年前には国家主席、5年前には総理と会うことができた。訪中団は経済を主管する閣僚級高官と会談し、両国関係悪化後の日本の対中投資の減少や大気汚染対策について意見交換する。25日の主要日程終了後、訪中団の一部は山東省も訪れる。
日本経済新聞の20日付報道によると、今回の日中経済協会訪中団は冷え込んだ日中関係の改善策を探り、今年秋の首脳会談実現に向けた環境をつくることが最大の目的だ。日本の今年1~6月の対中直接投資は、前年同期比で5割近く減少した。人件費の上昇などで、日本企業にとって生産拠点としての中国の利点は日増しに薄れている。日本商工会議所の三村明夫会頭は「投資の落ち込みは政治的問題の影響ではなく、各企業の判断の結果であり、構造的な要因が非常に大きい」と指摘した。
日本・道紀忠華シンクタンクの庚欣首席研究員は21日、環球時報の取材に「中国、米国、ロシアが政治大国であるのに対して、日本は経済大国だ。日本では真に成功した人は往々にして経済人だ。日本の世論は一流の人は経済をやり、三流の人は政治をやるとよく言う。権威ある声の多くが経済界からのものだ。中日友好の柱は経済・貿易関係であり、これは中日関係において一貫して比較的良好で健全な分野だ。今回の大規模な訪中団は中日関係の改善を望む日本の世論の主流を表している」と指摘。
「実際には、日本の対中姿勢は一貫して複雑なものだ。1週間前の世論調査では日本人の93%が中国に対して良い印象を持っていなかったが、80%近くの人が中日関係の早期改善が必要との考えを示した。政治と比べ、日本人が最も関心を抱いているのはやはり経済発展だからだ。最近の中日関係の緊張は日本政府にとって大きな圧力にもなっている。したがって、今回の大規模な経済界訪中団は中日関係緩和の意図が明らかだ」と述べた。
大規模な経済団体のほか、自民党の三原朝彦、三ツ矢憲生両副幹事長も24日から3日間の日程で訪中する。産経新聞はこれについて、中断している日中の政党間交流を再開し、谷垣禎一幹事長の訪中に向けた環境をつくり、日中首脳会談の地ならしもするためだと報じた。NHKによると、安倍首相は19日に谷垣氏と会い、日中関係の改善において政党が発揮すべき役割について話し合った。谷垣氏は今週にも中国の程永華駐日大使と会談し、日中関係改善の見通しについて話し合うと見られる。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月22日