10月7日午後9時49分、雲南省景谷県でM6.6の強震が発生した。8日午後4時までに356回の余震が確認されており、そのうちM4.0-4.9の地震が2回、M3.0-3.9の地震が9回となっている。8日6時現在の同地震による死者は1人、負傷者は324人。これは2カ月以上前に雲南省魯甸県で発生したM6.5の地震の被災状況と大きく異なっている。8月3日に魯甸県で発生した地震では、381人の死者、1801人の負傷者が出た。中国地震局地球物理研究所副所長の高孟潭氏は取材に応じた際に、「今回は大きな地震だったが、死傷者が少なかった。これは今後の建設計画において、家屋の構造と耐震性をより重視すべきという啓発になった」と指摘した。科技日報が伝えた。
高氏は、今回の地震に伴う死傷者が少なかった理由として、以下の二点を挙げた。
(1)被災地の人口密度が低かった。今回の地震が発生した景谷県の人口密度は、魯甸県の震源地の5分の1から4分の1程度だ。この場合、震源地が浅いほど断層上方の被災面積が狭くなり、死傷者数が減少する。
(2)景谷県の地理的位置。雲南省の南西部は樹木が多く、家屋は土と木の構造が中心だ。民家の多くは木の柱や垂木などの構造で、外壁は土の壁だ。このような家屋は地震が発生した場合、土の壁が外向きに倒れ、死亡者が出ることは通常ない。雲南省南西部のこの建築物の特徴により、現地の死者は魯甸県の位置する雲南省東部を大幅に下回った。これまでの地震による死傷者の統計データを見ると、雲南省南西部は、東部の10分の1のみだ。2007年に雲南省南西部の寧ジ県で発生したM6.4の地震でも、死者は3人のみだった。
中国地震局地球物理研究所の丁志峰氏は記者に対して、「雲南省は青蔵(チベット)高原の南東の縁、華南地塊などの複数の地塊が交わる場所に位置しており、地形が複雑だ。歴史的にも地震多発地帯であり、毎年M6.0以上の地震が1回は発生している」と述べた。
高氏は、「地震多発地帯では、建設計画の中で家屋の構造と耐震性を重視するべきだ。地震多発地帯である米カリフォルニア州を例とすると、その家屋は全体的に2階建ての木造建築を中心としており、ビルは少ない。このような家屋の構造は、震災発生時に死傷者を減らすのに役立つ。雲南省東部は樹木が少なく、家屋のほとんどは日干し煉瓦構造の土の壁か瓦積み壁で、地震が発生すれば内側に倒れ、死傷者が増える」と分析した。
高氏は、「今後の計画の中では、耐震性を重視するため、家屋の構造の選択に注意すべきだ。また低コストで耐震性にすぐれた建築材料の開発を進めるべきだ。雲南省東部には南西部ほど多くの木材がないため、蘆山地震の再建に使用された軽量鉄骨などを代替品にしてはどうか。科学者は土地と家屋の構造の選択、新材料の使用、建築コストの削減などの研究を行い、耐震性の高い、割安な建材により民家の耐震改修を進めるべきだ」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月10日