藤田和芳という名前は日本では広く知れ渡っている。39年前、有機農業の普及を提唱していた藤田氏は、NGO「大地を守る会」を立ち上げ、農業や生態、信頼の革命を引き起こした。30数年後の現在、藤田氏はこの革命を中国の地に持ち込もうとしている。新華網が伝えた。
藤田氏は16日、北京大学が主催する社会的企業交流サロンに参加した。藤田氏は、インタビューに応じ、「中国では3つの革命を起こさなければならない。一つは、農地における改革。農薬や化学肥料を使用せず、質のいい安全な農産物を収穫すること。2つ目は、流通分野の革命。安全な農産物を消費者の手元に送り届ける。3つ目は、消費者の意識革命。消費者に指導と教育を行い、生産者との間に信頼関係を築くことだ」と語った。
「大地を守る会」の設立は、当初大変な困難を伴った。藤田氏は過去を振り返って、「有機農業は時間と忍耐が必要だ」と感慨深げに語った。
1975年に開催された「大地を守る会」の設立式典に参加したのは農民と消費者の300人だけだった。それが、今では、「大地を守る会」の会員はすでに10万人を超え、インターネットを通して定期的に有機農産物を購入する消費者は13万人に達している。
「当初、我々は東京のある住宅街の広場で露店を出し、大声で呼び込みしながら販売していた。台の上に並べられていたのは、不格好で、価格もあまり安くない有機野菜。大きく曲がったキュウリや虫に食われた跡のある青菜なんて誰も買おうとしなかった。それが、しばらくたつと、若い母親らが子供を連れて押し寄せてきて、徐々に我々が販売している野菜を予約するようになった」と、藤田氏は振り返る。