また、経済の基数が大きくなったことも「達成できない」原因のひとつに挙げられる。国務院発展研究センターの劉世錦センター長は、「世の中には数字の幻覚というものが存在する。今年の7%前後という目標は、過去と比べて数ポイント下がっただけのように思えるが、実際の経済の増加量を見ると相当な増加になる。例えば2000年の時点で、中国のGDPが1%増加することは1千億元(1元は約19.2円)の増加を意味していた。しかし今年の場合、1%の増加は6千億元以上の増加を意味する。今年の2-3%の上昇は、2000年に置き換えると10%の上昇に等しい。つまり、経済の総量の増大に伴い、中国経済の1%の上昇が年々難しくなっているということ」と指摘する。
「耐えられない」というのは、資源・環境への圧力が強まるためだ。かつてクリーンだった都市が煙霧に襲われ、ゴミの山に埋もれてしまった。美しかった村も、山ははげ、水は汚染されてしまった。
「必要がない」というのは、発展目標を達成する上で、速すぎるスピードは要求されていないためだ。発改委の推算によれば、もし今年、7%前後の経済成長が実現できれば、第13次五カ年計画(2016-2020年)期の年間成長率が6.5%にまで落ち込んでも、2020年までにGDPと一人あたり所得を2010年比で倍増するという目標を達成できるという。
これらの事実を理解すれば、我々は平常心でもって成長率のギアチェンジに向き合うことができる。ましてや、7%前後の成長率ならば、経済社会発展のニーズを十分に満たすことができるのだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年4月21日